《ブラジル》8割が処方箋なしに薬服用=ネット医学の鵜呑みは危険

 製薬市場研究機関の科学技術品質研究所(ICTQ)によると、16歳以上のブラジル人の79%が医師の処方箋もなく、自己投薬している事がわかった。25日付現地紙が報じている。
 この数値は調査が始まった2014年以降、最大だ。医師の処方なしに薬を服用する人の比率は、14年は76・2%で、16年は72%だった。
 調査担当者からは、「ブラジル人の〃せっかちさ〃と、インターネットで薬の情報が簡単に手に入るようになった事が原因」との声が出ている。
 調査によると、「頭痛」「発熱」「風邪」「筋肉痛」などの症状が出た場合、多くのブラジル人はネットで調べて自分で薬を選んでしまう傾向にあるという。
 「自己判断投薬はブラジルだけの問題ではない。症状が長引くケースや、処方箋が必要な薬を勝手に買って飲んでしまうケースなどは根絶されなければならない」と専門家は取材に答えている。
 教師のクレウザ・アウメイダさん(64)は、難病の全身性紅斑性狼瘡にかかっており、毎週医者に行っているにもかかわらず、自己判断で薬を飲んでしまう事があるという。「医者に行って、深刻な病気と診断されるのが怖くて、少々の痛みなら自分で薬を選んで飲んでしまう。独りで注射したことさえも…」と語る。鎮痛剤や腫れを引かせる薬、制酸薬は常備しているという。
 2006年、国家衛生監督庁(Anvisa)は、処方箋がなくても買える薬の基準を制定した。それには、「依存症に陥る危険がない」「重い病気用の薬ではない」「服用期間が短い」などが定められている。