《ブラジル》スマートフォンに1万レアル=新型iPhoneのブラジルでの販売価格発表

 米国で9月に発表された、Apple社のスマートフォン、iPhoneの最新版、iPhoneXSMax、iPhoneXS、iPhoneXRの、ブラジルでの販売価格が10月30日に発表された。
 発売日こそ未発表だったものの、最も性能が高いiPhoneXSMaxの最大容量512ギガバイト(GB)版が、9999レアル(日本円で30万3千円相当)だった事が反響を呼んでいる。
 同じ製品の米国での販売価格は1449ドル(5404レアル相当)、日本での販売価格は16万4800円(5438レアル相当)だったので、ブラジルでの価格の高さは際立っている。
 今回発表された3機種のうち、最も廉価版とされるiPhoneXRの最少容量64GB版は5199レアルだったが、これも米国、日本での価格をレアル換算して比較すると、ブラジルでの価格は約1・9倍も高い。
 ブラジルメディアは、昨年iPhone8が発売された時、最も容量が少ないバージョンの価格は4千レアルだったことと比較し、Apple社の高価格戦略を指摘している。
 「Apple社は常に市場の動向を先乗りしており、それが価格にも現れている」と語るのは、コンサル会社IDCブラジルのモバイル機器アナリスト、レナト・メイレレス氏だ。
 昨年、新型iPhoneが発売された時のドル/レアル相場は1ドル=3・18レアルだったが、10月30日時点のドル/レアル相場は、1ドル/3・69レアルだった。
 リオ・グランデ・ド・スル州カトリック総合大のエドゥアルド・ペッランダ教授は、「Apple社はiPhone価格を為替変動で逐一変えず、実勢相場よりかなり高めで固定している」と語る。
 同教授は、スマートフォン価格が中古車以上の1万レアルを突破した事は象徴的とし、「スマートフォンは若者のステータスシンボル。かつての若者は、初めて職に就いたら給料を貯めて自動車を買ったが、今ではスマートフォンだ」と分析している。(10月30日付tecnoblog、10月31日付エスタード紙より)