《ブラジル》デング熱とチクングニア熱に注意=既に猛威を振るう兆候あり

 今年の夏は暑くなるとの予想が出ているが、一部の地域ではもう既に、デング熱やチクングニア熱が猛威を振るう兆候があるから注意するよう、1日付G1サイトが呼びかけた。
 ネッタイシマカ(アエジス・アエジプチ)が媒介する病気の代表であるデング熱は、今年既に128人の死者を出している。また、それが死因と疑われている死者も163人いるという。
 北東部の場合、デング熱感染が確認された患者数は、1~10月だけで707人に上り、昨年同期の302人の倍以上となっている。
 また、サンパウロ州では1~10月に1万4192人の擬似症患者(感染が疑われるが、確認出来ていない患者)が報告された。こちらも、昨年同期の6954人の倍以上だ。
 リオ州の擬似症患者は1万3627人で、昨年同期の9515人を43%上回っている。
 地域別の擬似症患者最多は中西部で、全国で報告された擬似症患者21万5585人中、36%にあたる7万8097人は中西部で発症した。
 デング熱に関しては、今までとは違う型のウイルスに感染して重症化する例が多いという点も注意が必要だ。デング熱ウイルスは4種類あり、一つにかかった事がある人が別のウイルスに感染すると、重篤な出血性デング熱を起こしやすいため、過去に感染した事がある人は未感染者以上に注意する必要がある。
 他方、チクングニア熱に関しては、南東部での擬似症患者数が多い。同地域では1~10月に4万7127人の擬似症患者が報告されており、全国の擬似症患者7万8978人の6割を占める。
 特に心配なのはリオ州で、1~10月に報告された擬似症患者は3万4237人。この数は、昨年同期の4228人の8倍以上に達している。
 リオ州でのチクングニア熱擬似症患者は、数や増加率だけでなく、発生率でもダントツだ。ブラジル全体でのチクングニア熱擬似症患者発生率は10万人あたり38人だが、リオ州での発生率は10万人あたり204・8人で、全国平均の5倍以上となっている。
 保健省は病気拡大防止の意味で、蚊の幼虫(ボウフラ)が家の近くで発生しないように、きれいなたまり水をなくす事を呼びかけている。