連邦警察と国税庁が9日、ラヴァ・ジャット作戦(LJ)関連のカピトゥ作戦を5州で敢行、ミナス・ジェライス州のアントニオ・アンドラーデ現副知事や、JBSのジョエスレイ・バチスタ社主ら16人を一時逮捕したと同日付現地紙サイトが報じた。
今回の作戦は、ジウマ政権下の農牧供給省(以下、農務省)と下院を巡る汚職を扱うもので、LJでは民主運動(MDB)関連のオペレーターとされる闇両替商のルシオ・フナロ被告の報奨付供述を基にしている。
連警は63件の捜索令状と19件の逮捕令状を手に、9日早朝から作戦を執行。2013年3月~14年3月に農務相を務めたアンドラーデ現ミナス州知事や、後任で15年12月まで農務相を務めたネリ・ジェレル下議、ジョエスレイ・バチスタJBS社主、リカルド・サウジJ&F元役員らが逮捕された。
当局によると、アンドラーデ副知事やジェレル下議は農務相時代、臓器輸出規制や抗寄生虫薬の使用禁止、食肉加工業者の監査の連邦化などに関する省令によってJBSグループに便宜を図り、見返りとして賄賂を受け取っていたという。
JBSグループはアンドラーデ副知事に、臓器輸出の規制関連で200万レアル、抗寄生虫薬の使用禁止関連で500万レアルを支払ったとされている。
逮捕者の中には、農務省関係者、JBSやJ&Fの関係者、弁護士らの他、エドゥアルド・クーニャ元下院議長を含むMDB関係者などの名前が挙がっている。MDB関係者はJBSに都合の良い法案の作成、承認に関与したとされている。
また、国外にいるなどの理由で未逮捕の容疑者の中には、ミナス州のスーパーマーケットの共同経営者の名前も入っている。ミナス州では、二つの大型小売店や販売網が資金洗浄などの道具として使われたという。
家宅捜索令状は、連邦直轄区、サンパウロ州、ミナス州、リオ州、パライバ州、マット・グロッソ州で執行された。
JBSグループは、政治献金の形で賄賂を払っていたとされ、政治家や政党が受け取った賄賂の総額は2200万レアルに上るとされている。
なお、今回の作戦敢行のための令状は、ブラジリアにある第1地域裁が出している。