セレソン=チッチが独占インタビュー=2022年のW杯への抱負は?

10月、サウジアラビアでのチッチ氏(Lucas Figueiredo/CBF)

10月、サウジアラビアでのチッチ氏(Lucas Figueiredo/CBF)

 サッカーのブラジル代表チーム(セレソン)は16日と20日に次の親善試合を行うが、グローボ局のスポーツ・サイト「グローボエスポルテ」がチッチ監督への独占インタビューを掲載したので、その一部を紹介する。
 2018年のW杯ロシア大会は準々決勝敗退となったが、チッチ監督はその敗戦を、「もう少し早く監督を引き受けていたら、違うパターンを思いついていたかもしれない。あの時は(中盤の)レナト・アウグストが不調だったので、右ウイングだったフィリペ・コウチーニョを中盤に回し、ウイリアンやダグラス・コスタを右ウイングに据えたのだが、もっと他のことを試せていたかも」と、2016年9月からの監督業務に悔しさをにじませた。
 チッチ監督は、これまでのセレソンの慣例を破り、前回大会で敗退した監督としては異例の、次の4年までの監督の契約を更新している。現状、W杯後は4連勝しているが、そのメンバーには、引退が予想されていたチアゴ・シウヴァやミランダなどのベテランも招集している。
 「選手には公平にチャンスを与えている。彼らは次の大会で30代後半だが、意欲は衰えていないし、来年のコパ・アメリカであれば、まだ年齢も関係ない」と監督は語る。「でも、その一方で若手も起用している。パケタ、リシャルリソン、アルトゥール、エーヴェルトン、ミウトンも使っているし」と、22歳以下の期待の若い選手の名をあげて反論した。
 また、20年の東京五輪に関しては、「セレソンで大事な選手を既に預かっているから」と、通常U20の監督がつとめる五輪代表監督にはタッチしない(国によって代表監督と五輪監督を兼務する場合がある)ことを表明している。だが、チッチ氏の視線は既に、ブラジル・サッカー界の未来の宝というべき、18歳のヴィニシウス・ジュニオル(レアル・マドリッド)、17歳のロドリゴ(サントス)に向いている。
 同監督は既に二人を召集することを考えていたが、「ヴィニシウスに関してはかなり考えた。だが、ちょうど、彼がフラメンゴからレアルに移籍する大事な時期だったしね」と、召集に踏み切らなかった理由を語る。さらに、「レアルでもう少し結果がほしい」とし、ここのところ、強豪レアルでも試合に出はじめ、得点なども決めはじめているヴィニシウスに注文をつけた。
 さらに、ロドリゴに関しては、「成熟しているね。もう25歳くらいのプレーをしている。ただ、ヴィニシウスに既に備わっている体が、まだできていない」と誉めながらも注文を付ける。ロドリゴも2019年の(北半球での)夏場にレアルに移籍するが、「ああいう人材がブラジルでプレーしないのは惜しい」と語っている。
 チッチ氏はさらに、今後のセレソンのキー・プレイヤーとして、アルトゥールやルーカス・パケタと、中盤の若い2人の名前を挙げている。
 アルトゥールはグレミオから移籍したばかりのバルセロナでも常時出場しはじめており、チッチ氏も「チームの頭脳になりうる」と評す。「パウリーニョとコウチーニョをW杯で起用した際は、パウリーニョをやや前に使ったが、アルトゥールはだいぶ後ろにポジションを取るので、(より攻撃的な)コウチーニョが前に行ける」と語っている。監督はアルトゥールを称して、「バルセロナのかつての選手でいうとシャヴィに似ている」としている。同様の指摘は、かのメッシも行っている。
 「カカー2世」との呼び名も高いパケタに関して、チッチ氏は「より、前でプレーするタイプだね。彼が1度召集された際、まだよく知らないはずのネイマールやコウチーニョの方を見ていないのに、完全に動きを把握しているんだ」と賞賛した。「3回の召集のうち、まだ1回しか彼を呼べていないのは残念だ」と、国内の重要な大会の試合の都合でなかなか召集できないフラメンゴの絶対的エースを早く呼びたくてしょうがない気持ちも吐露している。(9日付グローボエスポルテより)