支店を移転、嬉しい悲鳴=パステラリア・ヨコヤマ=人気の秘密は「油の温度、厚さ」

新店舗の様子(左がアルヴァロ店長、イソムラ総支配人)

新店舗の様子(左がアルヴァロ店長、イソムラ総支配人)

 外国に暮らすブラジル人にとって、一番懐かしい「ふるさとの味」パステル。そして、なぜかフェイラのその屋台は日系人が大半だ。そんな青空市とは一味違う専門店を1967年に創業し、今も有名店であり続ける「パステラリア・ヨコヤマ」。創業から今年で51年目を迎えた今月上旬、支店をヴィラ・クレメンチーノ区(Av. Dr. Altino Arantes, 352)に移転した。以前は近くのミランドーポリス区にあった。
 「フェイラは冷蔵庫がないからマッサ(皮)に卵を練りこめない。やっぱり卵が入った方が断然おいしくなるんだ」――13日、アルヴァロ同店店長が来社し、移転を報告しつつ、同店のパステウが顧客に愛される秘密を語った。
 一番の人気商品は「パウミットと牛ひき肉のパステウ」、「牛ひき肉入りのエスフィファ」だそうだ。
 同店が誇る「パステウ・エスペシアウ」は、注文を受けた後、具材に生卵を割りいれ、閉じてから揚げる。だから肉の間に卵が入りこみ、さらに美味しくなるそうだ。「お客さんから注文を受けて、半熟卵で出すことも。パステルの美味しさを決めるのは、揚げる時の油の温度。ウチの店は何年も修行した職人ばかり。だから、難しいけれどそういった注文も受け付けている」という。
 アルヴァロさんはパステウの秘密について「とにかく経験と研究が大事」と語った。「大事なのは生地の厚さ、そして油の温度。なんども失敗を重ね、研究を重ねて美味しいものを作りあげた。『儲け』ではなく『美味しさ』を大事にしていったおかげで今の味があるんだ」と語った。
 アルヴァロさんは移転後「予想以上に来客があり、嬉しい悲鳴を上げている」と笑顔を見せた。