《サンパウロ市》Mピニェイロスの高架橋に崩壊の危機=15日以降も連日ずれ記録=サンパウロ市のずさんな維持状況

問題の高架橋(secom)

問題の高架橋(secom)

 【既報関連】15日未明に橋脚が崩れ、2メートルの段差が生じた、サンパウロ市西部を走る幹線道マルジナル・ピニェイロスの高速車線の高架橋が崩壊する危機にあると、サンパウロ市が16日に発表。市民の間で高架橋に対する懸念が強まっている。17、18日付現地紙などが報じている。
 15日に2メートルの段差が生じた高架橋は、ヴィラ・ロボス公園前にあり、その後もずれを生じさせている。16日には右側で1センチ、左側で1・2センチ、17日には右側で3ミリ、さらにずれたという。
 サンパウロ市インフラ局のヴィットル・アリー局長は、こうしたずれは「気候と関連した要因で生じた可能性が考えられる」と説明し、「引き続き崩壊の可能性があり、留意しなければならない」と語っている。
 市はすでに、この高架橋の事故に対応した交通対策をとっている。マルジナル・ピニェイロスの高速車線は、トランスアメリカ橋から事故現場手前のジャグアレー橋までのカステロ・ブランコ道方面行き、約20キロを通行止めとした。
 これらの区間の代替案としては、同道の普通車線や付近の一般道の使用や、ロドアネルやカステロ・ブランコの使用が勧められている。
 また、同高架橋の下を走るCPTM9号線は、15日~17日は現場付近のヴィラ・ロボス/ジャグアレー駅とシダーデ・ウニヴェルシタリア駅の2駅が閉鎖された。この期間中の同線の運行は、オザスコ~セアーザ駅間とピニェイロス~グラジャウー駅間に2分されていたが、18日には2駅の封鎖は解かれた。だが、同高架橋下は、時速20キロの減速運転を続けている。
 サンパウロ市では15日~20日のフェリアドン(飛び石連休)が終わり、車の末尾番号による乗り入れ規制(ロディージオ)が再開される21日以降の状況を不安視している。同マルジナルは市内で2番目に多い、1日45万台(両方向の合計)の車が走るところでもあり、市内の交通への強い影響が懸念される。
 サンパウロ市においては、今回のほか、33の高架橋が老朽化などにより同様に崩壊の危険性があると報じられている。
 だが、フォーリャ紙によると、サンパウロ市では今年、高架橋のメンテナンス用の予算に4470万レアルが割り振られているにもかかわらず、現時点では、その5%に過ぎない240万レアルしか使われていないという。
 ほかの公共物のメンテナンスでも、4億5500万レアルの予算中、実際に使われたのは2億3540万レアルのみで、まだ、半分しか使われていないという。