《ブラジル》サッカー全国選手権でパルメイラスが2年ぶりV=名伯楽就任以来21戦負けず=3度目の全盛期到来

25日、パルメイラスが優勝を決めた対ヴァスコ戦(Rafael Ribeiro/Vasco)

25日、パルメイラスが優勝を決めた対ヴァスコ戦(Rafael Ribeiro/Vasco)

 サッカーの全国選手権第37節が25日に行われ、パルメイラスが対ヴァスコ・ダ・ガマ戦を1対0で制し、2年ぶり10回目の優勝を決めたと26日付現地紙が報じた。
 この優勝でパルメイラスの優勝回数は10回となり、最多記録を更新した。ここ数年、好成績の続く同チームは、90年代以来の新たな全盛期を築きつつある。
 優勝を決めたのは、敵地リオ市サンジャヌアリオスタジアムでの対ヴァスコ・ダ・ガマ戦だ。
 前半は0対0のままで終わったが、後半27分に、ドゥドゥが相手ゴール前にあげたロングボールを、ウィリアンが右足であてて右にそらすと、ダイヴァーソンがすかさず押し込み、決勝点を挙げた。
 今季のパルメイラスは開幕前から優勝候補の筆頭にあげられていたが、7月29日の第16節が終わった時点で6位。ここでパルメイラスは、99年に同チームをリベルタドーレス杯で南米一に導き、02年のW杯でも世界一に輝いた、名将と名高いフェリポン氏を監督として迎えた。
 同氏就任後のパルメイラスは一気に上昇気流となり、優勝を決めた25日の第37節まで15勝6分、21戦無敗という破竹の勢いで勝ち進み、残り1試合の段階で2位のフラメンゴに勝ち点差5という圧倒的な強さで優勝を決めた。
 今季のパルメイラスは、エースのドゥドゥに、かつてスペインで活躍したダイヴァーソン、コロンビア代表のボルハといった強力な攻撃陣に加え、キーパーにウェーヴェルトン、サイドバックにマルコス・ロシャ、そして中盤にルーカス・リマという、いずれも代表チーム(セレソン)で活躍した国内の精鋭を獲得して攻守を固めた。また、フェリポン監督の戦術が各選手を活かした。とりわけ、どこからでも点が取れる強力な得点力は、他を圧倒した。
 最初の6回の優勝を記録した1960~70年代前半までを第1期全盛期、1993、94年の全国優勝、99年にリベルタドーレス杯も獲得した90年代を第2期全盛期と数えると、2015年のブラジル杯優勝、16年の全国選手権優勝、17年は全国選手権2位、今年の全国選手権優勝の他に、ブラジル杯とリベルタドーレス杯でベスト4と続く数年の勢いは、3度目の全盛期到来とも言える。
 パルメイラスは下部組織も強く、U20(20歳以下)の全国選手権でも優勝を飾っている。
 パルメイラスの現在の強さは、2012年の屈辱の2部落ち以降の建て直しの結果と言える。とりわけ、前会長のパウロ・ノブレ氏と現会長のマウリシオ・ガリオッテ氏、2015年以降のスポンサー、クレフィーザ社の経営手腕は高く評価されている。