《サッカー・リベルタ杯》決勝戦の開催を巡り紛糾=クラブW杯までに決まるか南米王者?

準々決勝でブラジルのクルゼイロを下したボカ(青と黄色のユニフォーム foto: Cruzeiro)

準々決勝でブラジルのクルゼイロを下したボカ(青と黄色のユニフォーム foto: Cruzeiro)

 サッカーのクラブチーム南米大陸王者を決めるリベルタドーレス杯決勝が、開催地や開催日時、実際に行われるかどうかさえも正式決定できないという異例の事態になっていると、25~28日付ブラジル紙・サイトが報じている。
 決勝はアルゼンチンの名門チーム、リーベル・プレート(リーベル)と、ボカ・ジュニオルス(ボカ)の対戦で、熾烈な対抗意識を燃やす両チームの激突に、世界の注目は集っていた。
 ホーム・アンド・アウェーの2回戦制で行われる決勝第1戦は、11日にボカのホームで行われ、2対2で引き分けていた。だが、24日にリーベルのホームで予定されていた第2戦で、ボカの選手を乗せたバスが会場に向かう途中、リーベルのファンからの投石を受け、ガラスが破損。キャプテンのパブロ・ペレスを含む選手2人が負傷した上、投げ込まれた催涙ガス弾で気分が悪くなる選手も出た。
 試合は翌25日に延期されたが、再延期となった。27日には南米サッカー連盟本部(パラグアイ)で両チームの会長も含めて協議し、今後を決める事が決定され、アレハンドロ・ドミンゲス南米サッカー連盟会長が、「第2戦はアルゼンチン国外で、12月8日か9日に行う」と発表した。
 だが、ボカは試合を行わずに優勝となる事を望んでいる。ボカのダニエル・アンヘリシ会長は、「全ての法的手段を行使する。国際スポーツ裁判所(スイス、ローザンヌ本部)に行く必要があるなら行く」と語った。

準決勝でブラジルのグレミオを下したリーベル(白と赤のユニフォーム foto: LUCAS UEBEL/GREMIO FBPA)

準決勝でブラジルのグレミオを下したリーベル(白と赤のユニフォーム foto: LUCAS UEBEL/GREMIO FBPA)

 15年に両チームが対戦して、ボカのファンがリーベルの選手に催涙ガスを発射した際は、没収試合の末にリーベルの勝ちが宣告されている。リーベルのファンにボカの選手が傷つけられた今回は、ボカの勝ちが妥当とボカは主張している。
 問題を複雑化させているのは、12月12日にはアラブ首長国連邦(UAE)で、クラブW杯が行われることだ。それまでに南米王者が決定しないと、国際サッカー連盟としても大問題だ。
 ブラジル国内でも、パルメイラスのスコラーリ監督が「私なら試合はやらない。3年前の事を考えれば、ボカの優勝となるべき」と語るなど、議論が盛り上がっている。
 南米サッカー連盟が主張する、「アルゼンチン国外での開催」となった場合の開催地として、マイアミ(米国)、ドーハ(カタール)、アスンシオン(パラグアイ)などがとりざたされる中、「南米最高峰の大会」、「世界が注目のライバル対決」の謳い文句は、日々その輝きを失っている。