《ブラジル》銃の密輸と密売で一斉摘発=リオ州の犯罪組織に供給か

 リオ州市警と連邦道路警察が3日、銃の密輸や密売に関与していると考えられる犯罪者グループを一斉に摘発した。
 「デザルミ」作戦は、リオ州とマット・グロッソ・ド・スル(MS)州で敢行された。同作戦の対象となった犯罪者グループの存在は、リオ州の犯罪組織への武器の流れを追いかける中で浮かび上がってきたという。
 3日の作戦では、リオ州で13件、MS州で4件の逮捕令状が出た他、家宅捜索令状が各々、14件と6件出された。
 今回の作戦は、2017年11月11日に、リオ市大都市圏のイタグアイー市で銃や銃弾が押収された事がきっかけで始まった。武器の差し押さえはその後も続き、今年8月20日のリオ州バイシャーダ・フルミネンセのセロペジカ市での作戦まで入れた4回の作戦では、8人が逮捕され、約3万3千発の弾薬などが押収された。
 警察がこれらの火器はパラグアイから密輸されたものと見て捜査を続けた結果が、今回のデザルマ作戦だ。
 逮捕者の一人は、リオ市西部のレクレイオ・ドス・バンデイランテスで捕まったロージェル・ドス・サントス・マセド容疑者だ。
 同容疑者は、リオ州内各所への武器の受け渡しの責任者で、警察官などに使用が限定されている銃や弾薬などの発注も、同容疑者が担当していたと見られている。
 リオ市警の捜査では、ここ数カ月間で、数百丁の火器と数千発の弾薬がリオ州に送り込まれていた事が判明している。これらの火器や弾薬は、コマンド・ヴェルメーリョなどの麻薬密売組織だけでなく、警官や消防士、政治家も絡んだ民兵組織(ミリシア)にも提供されていた。
 犯罪者グループの存在は、リオ州内のイタグアイーやセロペジカ、イタチアイアでの武器押収を契機に明らかになった。今作戦で逮捕された容疑者の中には、リオ市配属の軍警伍長1人や、陸軍落下傘部隊所属だった元兵士4人、元軍警1人が含まれている。(3日付G1サイト、同アジェンシア・ブラジルより)