15州で犯罪組織一斉摘発=6組織266人に逮捕令状

犯罪組織の一斉摘発に参加した市警(Tania Rego/Agencia Brasil)

犯罪組織の一斉摘発に参加した市警(Tania Rego/Agencia Brasil)

 検察庁の国家組織犯罪対策班(Gncoc)が4日、連邦直轄区と14州で、六つの主たる犯罪組織を一斉に摘発する作戦を敢行したと同日付現地紙サイトが報じた。
 2002年創設のGncocによる大型作戦は、連邦直轄区とサンパウロ、アクレ、アラゴアス、エスピリトサント、ゴイアス、マット・グロッソ・ド・スル、ペルナンブッコ、パライバ、パラナ、リオ、ロライマ、サンタカタリーナ、リオ・グランデ・ド・スル、トカンチンスの各州で展開され、逮捕令状266件、家宅捜索令状203件が執行された。午後5時半までの逮捕者は200人と現行犯3人で、残り66人はまだ捕まっていない。
 標的とされた犯罪組織は、サンパウロ州が本拠の州都第1コマンド(PCC)、リオ州が本拠のコマンド・ヴェルメーリョ(CV)、第三純血コマンド(TCP)、アミーゴ・ドス・アミーゴス(ADA)、エスピリトサント州が本拠のヴィットリア第1コマンド(PCV)、パライバが本拠のオカイダPBの六つだ。
 サンパウロ州では12市で、PCC関係者への逮捕令状59件と家宅捜索令状10件が執行され、午後5時半までに55人が逮捕された。容疑者達には、麻薬密売や資金洗浄、犯罪組織形成、公務員相手の汚職の嫌疑がかけられている。
 同州検察局によると、今回の作戦の目的は、犯罪組織の幹部逮捕によって組織を弱体化させ、資金調達力をそぐ、犯罪組織を支えている企業を解体する事で資金洗浄の道を断つ、公務員も絡んだ汚職を撲滅するの三つだ。サンパウロ州での作戦には、州検察局と市警、軍警が参加した。
 トカンチンス州では通常の摘発作業に加え、パウマスにある未決囚収監施設の監査も行われた。同施設では、武器や爆発物、麻薬、携帯式通信機器、犯罪組織の構成員名簿などが押収された。
 近年は、サンパウロ州やリオ州の犯罪組織が他州や国外でも構成員を確保し、麻薬や武器を調達したり、対立組織との抗争が激化したりといった問題が増えており、全国一斉摘発となった。
 4日付G1サイトによれば、国税庁が1~10月に押収したコカインの量は26・9トンで、昨年同期の14・3トンを89%も上回っている。これらのコカインはサントス港などの港や空港、郵便局などで押収されたものだ。押収量増加は捜査力向上と流通量拡大の双方を反映している。