リオでミリシアの大摘発=約100件の逮捕令状出る

出動に備える軍の車両(SECOM/COMANDO MILITAR DO LESTE)

出動に備える軍の車両(SECOM/COMANDO MILITAR DO LESTE)

 リオ市西部で暗躍する犯罪者らの民兵組織(ミリシア)摘発のため、リオ州市警と軍兵士が20日、約100人分の逮捕令状を執行したと同日付現地紙サイトが報じた。
 「ヘラクレス」と題する作戦の対象は、ウエリントン・ダ・シウヴァ・ブラガ(通称エコ)が指揮し、リオ市西部からバイシャーダ・フルミネンセにかけて勢力をのばしているミリシアだ。
 このミリシアは、車を盗んだり、殺人事件を起こしたりと、様々な犯罪に関与している。また、治安維持費と称して市民や商店などから金銭を徴収。また、彼らが扱う水やガスを買わない人や、インターネットやケーブルテレビといったサービスを利用しない人は脅迫されるため、暴行されたり殺されたりする事を恐れる住民は、これらのサービスを利用せざるを得ない状況に置かれていた。
 このミリシアは、リオ市西部のアッソ、ロド、アンタレス・デ・トレース・ポンテスといったコミュニティーを中心に活動しているが、イタグアイ市など、海岸部にも勢力を拡大している。
 今回の作戦は、8月に行われたフリーダム作戦に次ぐもので、エコの部下らを中心に、リオ市西部とイタグアイ市で97件(アジェンシア・ブラジルより、G1サイトによれば118件)の逮捕令状が出た。G1サイトによれば、逮捕令状の対象者の中には、現職軍警2人と元軍警1人も含まれている。
 G1サイトによれば、20日午前中の逮捕者は27人だ。内5人は別件逮捕者の再逮捕で、1人は現行犯逮捕だった。
 また、同日は296件の家宅捜索令状(アジェンシア・ブラジルより、G1サイトでは180カ所)も執行された。
 今回の作戦はリオ州に出ている直接統治令の下で行われており、市警約200人と陸軍兵士1700人が動員された。陸軍兵士は、巡邏活動や市警の活動補佐のため、リオ市北部と西部の計23区に出動したという。
 他方、市警の盗聴では、軍警下士官が、ミリシアのメンバーに種々の情報を流していた疑いも表面化しており、機密漏えいに関する捜査も並行して行われている。