「空手を通じた日伯交流を」=ハリウッド俳優、小山田さん

文協を訪問した小山田信さん(右から2人目)

文協を訪問した小山田信さん(右から2人目)

 ハリウッド映画『ラストサムライ』で準主演・信忠役を演じ、慈善活動にも熱心な邦人俳優の小山田真さん(こやまだしん、36、岡山県)が、20~24日にかけて来聖した。米国ロサンゼルス在住で、今回は当地における社会貢献活動展開の可能性を模索するために訪れた。
 小山田さんは00年に単身渡米し、03年に『ラストサムライ』でデビュー。06年にはディズニー映画『カンフー・プリンセス・ウェンディー・ウー』で日本人初主演を果たした新進気鋭の若手俳優だ。
 その一方で、ハリウッド俳優の知名度を活かし、社会貢献活動にも精を出してきた。
 04年に空手指導のボランティアを皮切りに、08年には次世代育成に主眼を置いた国際交流事業を実施する非営利公益法人「米国コヤマダ国際機構(KIF)」を設立。東日本大震災をきっかけに11年には「日本コヤマダ国際機構」を発足させるなど、日米コロンビアを拠点に活動を展開してきた。
 今回、同法人と小山田さんが理事を務める全米姉妹都市協会(SCI)の両方と提携関係にある国際青年会議所(JCI)傘下の、ブラジル日本青年会議所の招待で初来伯。サンパウロ市役所をはじめ、日系主要団体などを訪問した。
 小山田さんは「ロスでは地元日系人と交流があり、世界最大の日系社会のあるサンパウロを以前から知りたかった。日米のみならず、南米との交流活性化に貢献したい」と意欲を語る。KIFとSCIの支援枠組みを通じて、活動を展開したい意向だ。
 「今回はまだ挨拶廻り。何が出来るのかはこれから。まずは空手を通じた日伯交流を考えている」と話す。
 小山田さんは、全日本空手道連盟から空手アンバサダーに任命されており、20年東京五輪に正式種目に認定された空手の世界発信を強めたい意向だ。「言葉が話せなくても、交流できるのが魅力」と話し、日伯親善試合やブラジル人指導者の本邦研修等を例に挙げた。
 日本にある各国在外公館と連携し、国際交流事業を開催してきた実績を例に、駐日ブラジル大使館と連携した日伯交流事業も開催したい意向だ。「在日ブラジル人が沢山いるが、とりわけ地方では日本社会に溶け込みずらいのでは」と話し、「交流の糸口となる楽しいエンターテイメントを仕掛けていけたら」との方向性を語った。