ラ米13カ国=マドゥーロ大統領に辞任要求=ベネズエラ選挙、無効化訴え

自国議会からも再選無効を宣言されたマドゥーロ大統領(Twitter de Maduro)

自国議会からも再選無効を宣言されたマドゥーロ大統領(Twitter de Maduro)

 ラ米13カ国が参加するリマグループが4日、ベネズエラのニコラス・マドゥーロ大統領の再選を否認。大統領辞任と、新たに選挙を行うまでは行政権を議会に譲る事を勧告すると共に、同国の政府高官らへの制裁の可能性も明らかにしたと6日付ブラジル国内紙が報じた。ベネズエラでは10日に大統領就任式が予定されている。
 同グループはベネズエラの混乱収拾のために創られ、ブラジルやアルゼンチン、ペルー、コロンビアなど13カ国が参加している。
 ブラジルのエルネスト・アラウージョ外相は初の国際会議後、「マドゥーロ氏が自らの良心に問い、辞任を真剣に考える事を期待する」「我々の目的はベネズエラに変革をもたらす事だ」と述べた。
 ベネズエラ外相は同グループの声明を受け、「リマグループは米国に協力し、我が国に攻撃を仕掛けている」と批判した。しかし、ペルーのネルトル・ポポリジオ外相は「ベネズエラ新政府の合法性を認められない」「マドゥーロ氏は大統領に就任せず、新たな選挙を行うまでは議会に行政権を託すよう求める」と明言。「同国の民主主義回復のために、圧力をかけ続ける必要がある」とも述べた。
 4日の会議に欠席し、グループが採択した声明に署名をしていないのはメキシコのみだ。参加諸国は、ベネズエラの経済危機や人道危機、難民問題についても懸念を表明。ベネズエラ政府を国際法廷に訴え、人道主義に反する犯罪行為に関する捜査を行うよう圧力をかけていく事やベネズエラの政府高官らの入国拒否も決めた。各国は、資産凍結や資産の移動を禁ずるなどの制裁措置の対象となる同国高官や機関のリスト作成や、同国への融資の制限なども約束した。
 マドゥーロ氏は昨年5月の選挙で再選された。だが、この選挙は体制派からの圧力や妨害工作に屈した野党側が参加を放棄。正当な形で争われたとはいえないため、制憲議会発足後は実質的な力を失った同国議会も、5日に再選無効との決議を行った。リマグループのように、再選無効を主張する国や機関は多い。
 7日付ブラジル国内紙サイトによると、米国では6日、同国に逃亡したベネズエラの元最高裁判事が、昨年の大統領選は非合法的とし、マドゥーロ氏に大統領就任を見送るよう求める映像が、インターネットやテレビで流されたという。