5カ国15人集まって研鑽=第33回汎米日本語教師研修会=国境越え、共通の悩み話し合う

記念の集合写真

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 ブラジル日本語センター(日下野良武理事長)主催の「第33回汎米日本語教師研修会」の開講式が14日午後5時、サンパウロ市ヴィラ・マリアーナ区の同センターで開催された。今年はブラジル、亜国、ペルー、コロンビア、ドミニカ共和国の5カ国から15人の教師が参加し、26日まで2週間研修を行う。
 式の冒頭、日下野理事長はあいさつで「私のような日本人にとって、皆さんが日本語を一生懸命教えてくれるのはとても嬉しい」と率直な思いを語り、「日本には『継続は力なり』という言葉がある。ずっと教え続けることは大変だが、生徒が力をつけるまで続けてほしい」と期待を寄せた。
 来賓のJICA聖出張所の佐藤洋史次長は「各国で移民が歴史を積み重ねる中で、日系人もその土地に同化している。だが日系人がアイデンティティを保持するために日本語能力は重要」と語り、日本語教師の役割の重要さを強調した。
 また、国際交流基金サンパウロ日本文化センターの洲崎勝所長は「異なる国、地方からこの場に集まった。ぜひどのような活動をしているか、お互いに情報交換し、それぞれの経験を伝えてほしい」と参加者同士や講師から学ぶよう促した。
 続いて教師が自己紹介を行った。コロンビアの光園の森部清志さん(24、二世)は「光園の先生は、ほとんどが非日系人。今回の研修を通して、なるべく吸収したことを先生たちに伝えたい」と意気込みを語った。
 ブラジリアのタグアチンガ日本語学校で1年教師をしている岡本みどりさん(33、三世)は「親から言われて、しぶしぶ習っている子供が大半。学習意欲が低く、長い休みに入ると、それまでに勉強したことを忘れてしまい、知識が定着しない。今回の研修で楽しく身につく教え方を学びたい」と参加動機を話すと、会場から共感の声が上がった。
 同プログラムは25日まで、グループや個人の作業を通して成果を発表し合い、最終日の26日に振り返りを行う。

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 今年も各国の日本語教師がサンパウロに集まった汎米日本語教師研修会。参加者の中には、ブラジルに来るのが初めてという教師も4人いた。自己紹介を聞いていて印象的だったのは、「ブラジルは美味しいラーメン屋さんがたくさんあると聞いて楽しみ」というもの。他国にもラーメン屋はあれど、「ブラジルの美味しさは有名」だそうだ。先生方には、ぜひブラジルの美味しいラーメンを味わって帰ってほしいところ。でも、肝心の研修会そっちのけで、「日本食研究」とばかりにラーメン店巡りをするのは…。