《南米サッカー》チリ開催のU20選手権はスカウトだらけ=「客より多い」と元Jリーガーも語る

「いつかは自分達も…」とチリに発つ前にCBFのミュージアムを訪れたU20代表の選手たち(Lucas Figueiredo/CBF)

「いつかは自分達も…」とチリに発つ前にCBFのミュージアムを訪れたU20代表の選手たち(Lucas Figueiredo/CBF)

 17日よりチリで開催されている、U20サッカー南米選手権。南米大陸ナンバーワンの座と、5月に開催されるU20W杯の出場権をかけて、10カ国が争う。
 サンパウロFCでプロデビュー、ブラジル国内ではサントスやコリンチャンスでもプレー、その後は日本の柏レイソルや清水エスパルスなど、国際舞台でも活躍した経験をもつジャメーリが、コロンビア対ボリビア戦の会場で、「ちょっと見渡せば、この試合はファンよりも、スカウトの方が多いよ」と語った。
 ジャメーリはフランスリーグの強豪、オリンピック・マルセイユのスタッフとして、今大会を視察している。
 彼の語るとおり、欧州からは有望な南米の若手を発掘しようと、多くのクラブがスカウトを派遣している。
 イタリアからは、トリノ、サンプドリア、アタランタ、エンポリ、ボローニャ、フェッラーラなどがスカウトを送っており、スペインからはレアル・マドリッド、FCバルセロナの2強の他、アトレティコ・マドリッド、セヴィージャ、ベティス、ヴァジャドリッドもスカウトを派遣している。
 イングランドからはリヴァプール、マンチェスター・シティ、マンチェスター・ユナイテッド、エヴァートン、アーセナル、ドイツからはフランクフルトやバイヤー・レヴァークーゼンなどのスカウトが、才能の原石を求め、試合に厳しい目を注いでいる。
 フランスからは、ネイマールも所属するPSG、ジャメーリのマルセイユの他、リール、モナコがスカウトを派遣している。
 「実は南米諸国のU20代表レベルになると、『未知の才能を発見』ってことにはあまりならない。多くのチームが競争しているから、ほとんどは調査済みの選手ばかり。今大会での僕の使命は、前から既にマークしていた選手たちがその後成長したか、または、意外と伸び悩んでいるかなどの情報をクラブに送ることさ」とジャメーリは語る。
 昨年、17歳でサントスFCでデビューし、すぐにレアル・マドリッドとの契約が発表されたブラジルU20代表のロドリゴは、21日のベネズエラ戦で2得点を決め、まずは順調な滑り出しを見せた。
 当然ながら、レアル・マドリッドのラテンアメリカ担当スカウト、パウロ・シャヴィエル氏は、彼の活躍する様子をスタジアムで見守った。
 このように、既に獲得が決まった選手の視察も珍しい事ではなく、U20ブラジル代表所属で、この大会後にはシャフタール・ドネツクに合流する、マルキーニョス・シプリアーノと、マルコ・バイーアも、シャフタール・ドネツクのスカウトが視察していた。(22日付グローボエスポルテなどより)