「植民地時代の黒人奴隷のよう」=ヴォーグ・ブラジル編集長のインスタグラム投稿が大問題に

 ファッション雑誌「ヴォーグ」のブラジル版編集長が、19世紀の奴隷制時代の女帝を想像させる衣装を着た写真をSNSに掲載したことで物議を醸した。
 これは同誌編集長ドナタ・メイレレス氏が50歳の誕生日を祝う企画として、8日に自分のインスタグラムにあげたものだった。
 これはバイア州サルバドールの由緒ある建造物、アクラマソン宮殿を貸し切って行なわれた盛大な誕生会の際に撮影された。そこでは大御所歌手のカエターノ・ヴェローゾも招かれて演奏を披露するという、豪華なものだった。
 ドナタ氏は19世紀のバイア州の富豪を思わせるピンクの民族衣装に身を包み、女帝を思わせる大きな椅子に優雅に腰掛ける写真を撮った。その際に左右に、19世紀の白い民族衣装に身を包んだ4人の黒人女性を配した。
 これが掲載されるとすぐに黒人女性ラップ歌手のプレッタ・ララが、「これではまるで植民地時代のブラジルの奴隷制だ」とフェイスブックで批判したことから写真が拡散された。
 すると、ほとんどがプレッタの意見に賛成。中には「黒人奴隷は強制的に働かされていたわけではなく、望んで働いていた。歴史を蒸し返すな」などとする意見もあったが、少数派に過ぎなかった。
 この騒動に対してドナタ氏は翌9日、「私が表現したかったのはバイア州の文化伝統への敬意であり、人種差別の意図があったわけではなかった」と釈明した。
 だが、この問題の写真はすでに削除されている。