トヨタ自動車=第3四半期から生産開始=世界初のFX対応HV車=10億レ投資、新型カローラか

FX対応HV車(ブラジル・トヨタHPより)

FX対応HV車(ブラジル・トヨタHPより)

 世界初のフレックス対応型ハイブリッド車が、第3四半期後半に生産開始される。今月12日、ブラジル・トヨタ自動車(ラファエル・チャン社長)の決算説明会の席上で、公表されたとフォーリャ紙、エスタード紙が13日付で報じた。どの車種にこの技術が搭載されるか未だ正式発表はないが、市場では新型カローラ・セダンへの搭載が予想されている。

 ハイブリッド技術とは、内燃機関と電動機の2つの動力源を組み合わせた技術。当地向けには輸入車プリウスのみに搭載されていたが、エタノール燃料には対応していなかった。
 そこで、伯市場向けに本社とブラジル・トヨタの技術者が3年がかりで共同開発し、誕生したのがフレックス対応型ハイブリッド技術だ。
 ハイブリッド技術は燃費効率が高いため、エコカーとして知られる。自動車関連技師協会によれば、フレックス対応型ハイブリッド車の場合、欧州の従来のハイブリッド車に比較し、排出ガスを3分1程度削減することに繋がるという。
 すでに量産に向けた走行試験は実施済みで、第3四半期後半からインダイアツーバ工場で生産開始される。
 同紙によれば、ラ米カリブ地域のスティーブ・セイント・アンジェロ最高経営責任者は「我々は国内市場のみならず、この技術を輸出する狙いだ。例えば米国のようにエタノール燃料を使用している国は他にもある」と話した。
 まだ搭載車種は明かされていない。だが同工場では、昨年末から10億レアル(約289億円)の巨費を投じて、18カ月間の設備近代化が進められており、ほぼ同時期に同工場で新型カローラが生産開始となる。このことから市場ではカローラ・セダンにこの新技術が搭載されると見ている。
 同社は、25年までに全車種にハイブリッド技術を搭載することを計画しており、新たに施行される自動車産業振興策「Rota2030」によるエコカーへの税制優遇措置の下で、市場浸透を図る狙いだ。
 なお、同社の本年度の販売台数予測は、前年比9・5%増。自動車及び小型商用車市場全体の成長率見通しは11・3%であり、それを下回る数値だという。
 同紙によれば、同社のラファエル・チャン社長は「我々の生産能力に課題があるが、二つの工場ではフル稼働している」と話し、昨年11月からソロカバ工場とポルトフェリスエンジン工場では2交代制か3交代制、24時間稼働体制に移行し、生産能力拡大に努めていることを示唆した。