《ブラジル》教育行政の不正を暴いたジャーナリストに訴訟の嵐=報道協会は「市による法的報復」と反発

 ブラジル人ジャーナリストのウェリントン・マセド氏がセアラー州ソブラル市の市立学校から、精神的苦痛を受けたとして立て続けに59件も告訴されていると16日付地元紙が報じた。
 マセド氏は“悪の教育”と題した取材映像を動画配信サイトYouTubeに配信。そこではソブラル市と、その他三つの市の市立学校に通う生徒や元生徒が、「教員の指示にしたがって、学力測定試験で不正を行った」と語る様子が収められている。
 「内容に虚偽があり、学校としての名誉を傷つけられた」として起こされた59件の訴訟は、損害賠償請求額も、担当弁護士も全て同じ。
 マセド氏は、「不正はソブラル市ぐるみで行われ、首謀者は市長のイヴォ・ゴメス市長(民主・労働党PDT)」と結論付けている。
 イヴォ・ゴメス市長は、セアラー州知事、フォルタレーザ市長、財務大臣、連邦下院議員などを務めた大物政治家シロ・ゴメス氏や、現役連邦上院議員のシジ・ゴメス氏の弟だ。
 この状況にブラジル調査報道協会は、「一斉告訴は、マセド氏の動画を不快に思ったソブラル市による法的嫌がらせ」と断じている。(2月16日付フォーリャ紙より)