茨城から大学生2人来伯=南米交流推進青年派遣事業

来社した設樂さん、黒澤会長、安蒜さん(左から)

来社した設樂さん、黒澤会長、安蒜さん(左から)

 茨城県庁が主催する「平成30年度南米交流推進青年派遣事業」により、同県出身の大学生2人が19日から3月5日まで、サンパウロ市に滞在する。昨年第1回目はアルゼンチン派遣で、2回目の今回はブラジルに派遣となった。
 同事業は、若い世代を南米に派遣し、現地の日系人と交流して絆を深め、県民と在南米茨城県人会との交流を活性化することが目的。グローバル人材の育成も行う。
 一行は県人会や移民史料館、ジャパン・ハウス等を訪問。サンパウロ大学の見学や、日本移民が最初に上陸したサントス港も視察する。
 県人会会員との交流では、歓迎会の他にスザノ市やモジ・ダス・クルーゼス市の会員宅でホームステイも。また、アルモニア学園では摸擬授業を行い、日系人の多いコレジオ・エタッパを訪問する予定。
 茨城大学教育学部1年の安蒜(あんびる)ひなたさん(18)は、前回のアルゼンチン派遣にも参加した。小学校教諭になるのが夢で、同事業に参加した理由を「日本人が行く機会が少ない南米で視野を広げ、子供に良い影響を与えられるようにしたい」と話す。
 また、茨城県には日系ブラジル人が多いため、彼らのルーツに対する理解を深めたいと語った。
 設樂美沙季さん(22)は、筑波大学の人文・文化群で日本語・日本文化学類を専攻する4年生。大学で日系人について学び、「日本と別の所で日本にルーツを持っている人がいることに衝撃を受けた」と語る。卒業後は大学院に進学して南米研究を専攻し、1年間ペルーに留学する予定だ。「世界最大規模のブラジル日系社会で、県人会の方との交流や彼らの生活や日本に対する関心を知りたい」と期待を語った。
 黒澤儀人(のりひと)会長は、「二人には日系人との交流を通じて私たちの歴史を学び、将来に役立ててほしい」と希望を述べた。