京都会活性化に一歩踏み出す=県連主導で元留学生と昼食会=意気投合「内部で話し合う」

初めての「京都会の昼食会」の様子

初めての「京都会の昼食会」の様子

 「20数年ぶりに皆の顔を見られて嬉しい」―ブラジル日本都道府県人会連合会(山田康夫会長)の役員会の呼びかけで、23日昼に県連会議室で行われた「京都会の昼食会」では、そんな声が聞かれた。京都会の活動が停滞しているのを受け、孤軍奮闘してきた杉山エレナ会長と相談しながら活性化策をさぐる話し合いをするもの。50代、60代の元県費留学生の“若手 ”7人ほどが参加して冒頭の様な声が聞かれ、最後は「まずは内部でしっかりと話し合う」との意気投合し、拍手で解散した。
 県連の山田会長はまず「昨年の県連日本祭りでは京都会の出展がなかった。このままでは今年も難しいという声を聞く。県連が場所を特別に提供するから、ぜひ出てほしい。会の活性化を手伝いたい。参加することで会の活性化に役立ててほしい」と主旨を説明した。
 県連日本祭りの谷口ジョゼ実行委員長も「和歌山県人会は日本祭りの売り上げから半年分の運営費がでる。もし日本祭りに参加しなければ5、6年で会のお金は尽きてしまう。3日間、皆で協力して一生懸命に働くと、団結力が高まる。それぐらい日本祭りは重要な存在。場所を提供する件は、私も賛成。京都にはぜひ出てもらい、今まで一度もなかった全都道府県参加を実現しましょう」と呼びかけた。
 鹿児島県人会の上園モニカみちえ会長は「ブラジルは世界で唯一47都道府県すべての会が揃っている。ハワイや北米も県人会はたくさんあるが揃っているのはここだけ。一つでも欠けたら残念」と述べた。
 20数年ぶりに京都会の集まりに顔を出したという竹村マルコスさんは「我々は今日、あくまで個人としてこの集まりに参加している。京都会の会長はエレナさんであり、まずは内部で活性化についてもっと話し合う必要がある」とした。杉山会長は急用ができ当日参加できなかった。
 京都会では以前から『県人会は一世の親睦会だから、一世と共に消滅するもの』との考えが徹底されてきた。だから「子孫に余計な苦労をかける資産を残すべきではない」との考えから一度も会館を所有したことがなく、会の定款登録もされていなかった。杉山会長は会登録という貴重な一歩を踏み出したが、元留学生らは「仕事が忙しい」との理由からなかなか集まらず、会運営に四苦八苦していた。
 上園会長は「昔と違って、今は子孫の会になってきており、母県との日本語でのやり取りは、県連事務局に手伝ってもらっている。京都も頑張ってぜひ活性化してほしい。県連もできるだけ手伝う」とし、奈良県人会青年部長、非日系のマチアス・エイセンハウエルさんを紹介した。
 京都会の元留学生らは「今まで一生懸命に支えてくれたエレナさんに感謝の気持ちでいっぱい。彼女の考え方が重要。メンバーがこれだけ集まったのは本当に久しぶり。まずはこの宿題を持って帰り、とにかく内部で話し合う」と語り、拍手で散会した。