リオのカーニバル=奴隷解放130周年祝うパレードも=マリエーレへの追悼相次ぐ=サンパウロ市はマンシャが初優勝

マンゲイラのデスフィーレより(Tomaz Silva/Agência Brasil)

マンゲイラのデスフィーレより(Tomaz Silva/Agência Brasil)

 リオのサプカイのサンボードロモでは3日と4日(5日早朝まで)の2夜連続で、スペシャル・グループのエスコーラ・デ・サンバによるカーニバルのデスフィーレ(パレード)が行われた。そのハイライトを4~5日付現地紙が報じている。
 4日付G1サイトは、初日に優秀だったエスコーラとして、ヴィラドウロ、サウゲイロ、そして昨年優勝のベイジャ・フロールの名を挙げた。
 ヴィラドウロは今年2部から復帰したばかりで、知名度も高くない。だが、奇抜な演出で知られ、「優勝請負人」の異名もとるカルナヴァレスコ、パウロ・バロスが、「おばあちゃんが孫に聞かせるために持ってきたおとぎ話の本の話」という設定で演出。炎や煙も駆使し、幻想的で派手なパレードを披露した。
 サウゲイロは黒人守護神の「シャンゴ」がテーマ。大きなやぐらに乗ったシャンゴを、アフリカの伝統舞踊を踊るダンサーたちで盛り立てた。
 2年連続15回目の優勝を狙うベイジャは、同エスコーラの創立70周年を祝うパレードを行った。特に、伝説のカルナヴァレスコ、ジョアンジーニョへのオマージュが目立ったが、中でも話題を呼んだのが「ねずみの議会」という山車。これは「汚職や不正にまみれ、頼りない政治は恐怖を生み出す」という政界批判で、その恐怖の象徴としての本物ソックリな巨大猫の山車に、注目が集まった。
 また、G1サイトは2日目の優秀エスコーラとしてヴィラ・イザベル、ウニオン・ダ・イーリャ、マンゲイラの名を挙げた。
 イザベルが選んだテーマは「ペトロポリス」。19世紀にブラジル帝国の皇族避暑地として知られたこの地をイメージして、3台を連結して長さ60メートルに達した巨大な山車と、イザベル皇女が黒人奴隷解放を叫ぶ場面を表す山車に「マリエーレは生きている」と書かれたプラカードを掲げ、昨年3月に射殺されたリオ市議の名前をあげたことが注目された。この山車にはマリエーレ氏の両親らも登場した。
 ブラジルの小説家ラケル・デ・ケイロスやジョゼ・デ・アレンカールの作品にインスピレーションを得、セアラー州の文化や習慣を伝えたイーリャでは、ドローンに乗った紳士が宙を舞ったまま大型の山車を1周するという仰天の演出が飛び出し、話題をさらった。
 通算20回目の優勝を狙うマンゲイラは、黒人や先住民といった「民衆のために戦った英雄」をテーマに選んだが、その中にマリエーレ・フランコ氏も選ばれた。クライマックスでは、同氏の顔が写った大きな旗が振られる中、同氏未亡人のモニカ・ベニーシオ氏も共に行進を行った。
 なお、サンパウロ市カーニバルのデスフィーレの結果は5日に発表され、マンシャ・ヴェルデが初優勝を飾った。