高木茂樹さん栄冠に輝く=第4回本荘追分大会で=8月に日本大会へ出場

優勝旗を手に歌う高木さん

優勝旗を手に歌う高木さん

 ブラジル本荘追分会(川合昭会長)と若手民謡グループ「民」(久保田紀世代表)共催の『第4回ブラジル本庄追分会』が2月24日、サンパウロ市ヴィラ・マリアーナ区の秋田県人会会館にて開催された。49人が出場して日頃の練習の成果を披露した結果、民謡歴10年のエベルソン高木茂樹さん(41、三世)が優勝を飾った。大会実行委員長の伊藤武さん(76、秋田県由利本荘市)から優勝賞品として日伯往復航空券が贈られ、エベルソンさんは、8月に秋田県で行われる第36回本荘追分全国大会にブラジル代表として出場する。

 「本庄追分」は秋田県由利本荘市の民謡。港町で歌われていた民謡が起源とされ、明るく弾む旋律、高調子の「ハァー」で始まる歌詞が特徴。難易度が高い民謡として有名で、本荘追分民謡の国際大会が行われているのは、世界でブラジルだけ。会場には本庄追分民謡を聴くため愛好家ら120人が集まった。
 開会式では長谷部誠由利本荘市長、渡部聖一同市議会議長、佐林公善本荘追分保存会会長からの祝辞が披露され、野口泰在聖総領事や山田康夫県連会長らが登壇し、祝辞を述べた。審査は幼年、青壮年、高年、寿の部に分かれて行われ、各部門の優秀者が決勝審査に進んだ。
 初優勝を遂げたエベルソンさんは「とても幸せな気分」と喜ぶ。日本へは仕事の都合で2度行ったが、秋田に足を踏み入れたことはない。今度の大会で初めて訪れる。「全国大会参加は不安もあるけど精一杯頑張ってきます」と語った。
 エベルソンさんは、長野県人子弟で幼少の頃からカラオケ大会に出るなど歌が好きだった。カトリックの神父として聖歌隊にも参加。民謡は子供の頃から好きだったが10年前から民謡講師の海藤司さんの下で民謡を学び始めた。前回大会では3位に入賞していた。
 エベルソンさんの歌唱について審査員の北原民江さん(郷土民謡協会)は、「去年は節回しにミスがあったが今年は見事だった。本荘追分独特のリズムも物にしている。高い声質は民謡向きで、民謡を歌ってくれていることに感謝したい」と述べた。
 各部門優秀者は以下の通り【幼年の部】田尻カミーラなつみ【寿の部】保坂富男【高年Aの部】佐藤吉治【高年Bの部】久保時雄【青壮年Aの部】吉田明【青壮年Bの部】木下光恵【決勝審査】一位エベルソン高木茂樹、二位佐藤吉治、三位木下光恵。