《ブラジル》マリエーレ殺害事件の容疑者2人を逮捕 射撃名手の退役軍警と罷免警官 射殺命じた主犯は誰? 事件発生からまもなく1年

マリエーレ氏(Akemi Nitahara Agencia Brasil)

マリエーレ氏(Akemi Nitahara Agencia Brasil)

 12日早朝、リオ市警は、リオ市議のマリエーレ・フランコ氏とその運転手のアンデルソン・ゴメス氏殺害事件の実行犯として、退役軍警のロニー・レッサ(48)、元軍警のエウシオ・ヴィエイラ・デ・ケイロス(46)の両容疑者を逮捕した。12日付現地サイトが報じている。両容疑者の逮捕は12日午前4時30分頃行われた。

 市警の発表によると、この二人は、昨年の3月14日に起きたマリエーレ氏殺害を実行した容疑者だという。マリエーレ氏は同日夜、黒人女性の人権擁護のための非政府団体の集会に出席後、アンデルソン・ペドロ・ゴメス氏が運転する車の後部座席右側に乗車して帰宅の途に着いた。

 だが、自宅まで1キロ強の地点で、後をついて来ていたケイロス容疑者が運転するコバルト車が接近。後部座席左側の窓を開けた状態で、レッサ容疑者が13発の発砲を行ったと見られている。13発の内、4発がマリエーレ氏、3発がアンデルソン氏に命中し、二人共、即死した。

 マリエーレ氏らの殺害犯は、その犯罪手口や銃弾などから、かなりの銃撃技術を持つ人物と見られ、早い時期から軍警の関与が疑われていた。

 レッサ容疑者は軍警の中でも、射撃の名手としてかなり知られていたという。過去に犯罪例はなく、1998年には、ベテラン州議ペドロ・フェルナンド・フィーリョ氏(故人)の提案で、第9大隊所属軍警として州議会で表彰も受けた。

 一方のケイロス容疑者は、2011年に麻薬密売者らとかかわりを持った容疑を持たれており、2015年に懲戒免職処分を受けている。

 また、レッサ容疑者は、リオ市西部の富裕層居住区バーラ・ダ・チジュッカにあり、ボウソナロ大統領の自宅もあるコンドミニアムに住んでいる。

 実行犯の容疑者逮捕を受け、マリエーレ氏と同じ社会主義自由党(PSOL)所属で、彼女の上司でもあったマルセロ・フレイショ州議(当時、現下議)は、これらの容疑者に殺害を命じた容疑者らがまだ判明していないことに警鐘を鳴らし、「まだ事件は解決していない」とコメントした。

 マリエーレ氏殺害事件は、リオ市西部で利権を持つミリシア(犯罪者の民兵組織)が、権益を脅かす存在としてマリエーレ氏を疎ましく思い、殺害したと推測されており、一度はリオ市議のマルセロ・シシリアーノ氏とミリシアの幹部が有力容疑者と見なされたが、対抗ミリシアによる策略だったとの見方もある。

 またマリエーレ氏殺害時に隣に座っていて負傷した秘書のフェルナンダ・シャヴェス氏は、10日放送のグローボ局の報道番組内で、「彼女はミリシアを批判してはいたが、ミシリアとは直接対立してはいなかった。だが、ファヴェーラ出身の黒人女性でレズ(同性愛者)だったため、男性至上主義や人種差別を行う市議の中には、彼女を疎ましく思う人たちもいた」と証言していた。