《ブラジル》チケット争奪戦で長蛇の列 伝説のアイドル、サンディ&ジュニオルの復活コンサートにファン血眼

 ブラジル音楽史上でも有数の人気アイドル・デュオ、サンディ&ジュニオルが12年ぶりの再結成コンサートを行うことになり、チケット獲得のため、長蛇の列ができて、話題を呼んでいる。

 サンディ&ジュニオルは、姉サンディ(1983年生まれ)と弟ジュニオル・リマ(1984年生まれ)の姉弟によるデュオ。二人は1990年、ふたりがそれぞれ7歳と6歳のときにレコード・デビューするなど、早熟な活動をはじめていたが、1999年に発表したアルバム「アス・クアトロ・エスタソンエス」が250万枚の記録的なビッグ・ヒットを記録。これにより、国民的なアイドルを決定的なものとした。

 以後、出す曲出す曲をヒットさせていたが、2007年に解散。その後はソロに転じていた。

 だが、この3月、2人は再結成を宣言した。理由は、2人がはじめてテレビでサンディ&ジュニオルとして歌を披露してからの30周年を記念してのものだ。「ノッサ・イストリア(私たちの歴史)」と銘打たれた再結成ツアーは、全国10都市12公演(リオとサンパウロのみ2公演)で、6月から8月に行われることになった。

 チケットは各公演地で発売されはじめたが、このチケットをめぐり、販売本部の前で徹夜をして並ぶ人が続出していることが、テレビのニュース番組をにぎわせている。

 こうした光景は、コンサート・チケットを比較的のんびりと、あわてずに買うことが多いブラジルではきわめてめずらしいことだ。

 8月24日にコンサートが開かれるサンパウロでは、特定銀行カード所有者に対する先行発売が20日にはじまったが、午前10時の発売開始のはずなのに、発売本部である市内中央部のパカエンブー・スタジアムのチケット売り場前には、前日の夜10時から徹夜で並び始める人が出るなど、人が殺到。その長蛇の列はマスコミをも驚かせ、長蛇の烈を写す報道写真も出回った。

 また、同時にネットでの販売も行われたが、18万人の人が殺到したという。コンサート会場のアリアンツ・パルケは4万人動員の会場なので、2公演開催でも、その倍以上の人たちが申し込んだことになる。

 また、同じく20日にリオ公演のチケットも発売されたが、こちらはあいにくの強い雨が降りしきる中での発売。それでも、チケットを求める長蛇の列に影響は出ず、多くのファンが復活コンサートへの期待に胸を膨らませながら列をなしていた。(20日付エスタード紙電子版などより)