ミナス州=ブルマジーニョから2カ月=新たなダム決壊の危機迫る

今も続く行方不明者の捜索(Corpo de Bombeiros/Divulgação)

 1月25日にミナス州ブルマジーニョで起きた鉱滓ダム決壊事故から丸2カ月が過ぎ、身元が確認できた死者の数が214人に増え、不明者の数が91人に減った一方、新たなダム決壊の危機に直面し、緊急対策を迫られている市があると23日~25日付現地紙、サイトが報じている。

 同件に関しては、連邦議会や同州議会が議会調査委員会を設置。Vale社元社長らを呼び、事故発生を許した経緯などの解明と責任追及を行う意向だ。地元住民は月命日に当たる25日、死者の名前を読み上げながらの抗議行動も行った。

 だが、Vale社が、ダム決壊の危険性を認識していた(少なくとも指摘されていた)にも関わらず、当局への報告義務を怠り、対策も採っていなかった事を明らかにする出来事が、22日夜、起きた。ミナス州バロン・デ・コカイスにあるスル・スペリオルと呼ばれるダム決壊の警戒レベルが最高の3に引き上げられ、それを告げるサイレンが鳴らされたのだ。

 同ダムの危険度は2月8日に2に引き上げられたばかりで、その時もサイレンが鳴った。ダム決壊時に逃げる余裕はないとされる地区の住民約500人は直ちに退避するよう命じられ、以来、自宅に戻れずにいる。同様の環境にいる住民は約1千人に増えている。

 他方、22日夜のサイレンは、Vale社と市当局者との会議後に鳴らされた。同市防災局はすぐ、ダム決壊時に鉱滓が到達する時間などを割り出した地図を作成した。

 同市は、インターネットで警戒レベルの引き上げを知らせると共に、1時間強で鉱滓直撃とみられる第二安全地帯などにもビラを配布。安全な場所や避難ルートなどを示す標識も設置した。

 また、25日を市の休日とし、住民に決壊時のシミュレーションを見せて、避難訓練を行った。市内の学校二つは25、26日が休校となる。同市では、川に近い学校を安全な地域に移転させるためにVale社と交渉する事も検討中だ。

 住民の一部は寝ずの番をするチームを結成。非常時に持ち出す品や着替えを車に乗せて待機する人や、親戚が迎えに来て転居した人もいる。

 Vale社は今月1日に同ダム決壊はいつでも起こりうると警告されており、責任を問う声が再度高まっている。スル・スペリオル・ダム決壊で鉱滓が直撃するとされる市はバロン・デ・コカイス、サンゴンサロ・ド・リオ・アバイショ、サンタバルバラの3市だ。