《ブラジル》アプリの宅配サービス流行で思わぬ副作用=配達人の制服着た強盗が頻発

 サンパウロでは現在、スマートフォンアプリを使って、レストランからの宅配を廉価で受けられるサービスが流行している。

 食べ物を入れた大きな箱型のリュックを背負い、目立つチョッキを着て自転車やバイクに乗って走る姿は街の風景として定着した。

 サービスを享受できる利用者、売り上げアップに繋がるレストラン、景気回復が遅れ、なかなか職につけない中、せめてもの収入を得られる配達人に、手数料を得られるアプリ運用会社などよいこと尽くめに思えるが、最近は、配達人の格好をした強盗犯が出没し、犯行を繰り返している。

 元ブラジル公共治安局長のジョゼ・ダ・シルヴァ氏は、「サンパウロ州内では月50万件の強盗事件が起きている。そして、犯罪にもブームがある」と語る。

 配達アプリにはRappi、iFOOD、UberEatsなどがあるが、強盗犯はそもそも本当に配達人なのか、それとも、インターネットの売買サイトで、配達人のチョッキやリュックを買い、配達人を装っただけの無関係な人物なのかはわかっていない。

 Rappiは、自社の制服を着た人間による強盗が頻発している事は遺憾だとしながら、「制服はネット売買サイトで簡単に買えること」、「制服を着た人間がRappiの配達人か定かではないこと」、「そもそも配達人はRappiと雇用/被雇用の関係にはないこと」を強調した。

 自社のリュックを背負った人間による強盗事件が防犯カメラの映像でも確認されたiFOODは、「iFOOD配達人用のリュックを正規に買えるルートは一つだけ。横流しを防止するための措置を講ずる」とした。

 UberEatsは取材に対し、「提示された情報、画像、映像だけでは、同社関係者が犯罪にかかわっているかは判断できない」と述べるに止まった。(3月31日付フォーリャ紙より)