《リオデジャネイロ市》豪雨による死者は10人に=市長が対策のミスを認める

土砂崩れと落石に見舞われ、跡形もなくなった祖母と孫が乗っていたタクシー(9日付のG1サイトの記事の一部)

土砂崩れと落石に見舞われ、跡形もなくなった祖母と孫が乗っていたタクシー(9日付のG1サイトの記事の一部)

 【既報関連】8日夜、記録的な集中豪雨に見舞われたリオ市では、9日も行方不明者の捜索などが続けられた。9日現在の死者は10人で、マルセロ・クリヴェラ市長が対策に不備があった事を認めたと10日付現地紙が報じた。
 8日の雨は、ラルゴ・ダ・バーラ/バリーニャ区の212ミリなど、僅か4時間で月間平均降水量を超えた区が10も出る程激しいもので、随所で洪水や土砂崩れなどが発生。自然災害警告監視センターによると、24時間の雨量は323ミリに及び、ニテロイ市のブンバの丘で土砂崩れが起き、230人(エスタード紙より、ウィキペディアでは267人)が死亡した2010年4月の304・6ミリを超えた。
 降り始めからの24時間の雨量が最も多かったのはジャルジン・ボタニコで、南部や西部には、10日朝も水が引いていない地域がある。
 豪雨の犠牲者も南部と西部に集中しており、9日現在、南部では7人、西部では3人の死亡が確認されている。
 南部での死者は、ボタフォゴ区3人(ショッピングセンターでのフェスタ後、タクシーで帰宅しようとしたが、土砂崩れと落石に遭って死亡した63歳の女性と6歳の孫、運転手)、レメ区3人(土砂崩れで倒壊した家屋に住んでいた55歳と53歳の姉妹と同居していた42歳の男性)、ガーヴェア区1人(濁流に流され、車の下に挟まれて水死した30歳の男性)の7人だ。
 西部では、サンタクルス区で浸水家屋の掃除中に感電死した40歳の男性の他、ジャルジン・マラヴィリャ区などで水死者が2人(身元不明)出ている。
 西部では地区全体が冠水した地区が複数出た。また、サンタクルス区では農園の塀が倒れ、犯罪防止策として飼っていたワニ数頭が逃げ出す騒ぎも起きた。
 土砂崩れや倒木、冠水で通行不能となった道路は市内随所にあり、消防士がボートで救出した孤立学童、バスの中で泊り込んだ乗客、浸水した病院や博物館などの様子が連日報じられた。
 クリヴェラ市長は9日、8日に大雨が降るとの予想は出ていたが、清掃会社職員を派遣したのは8日午後半ばで、ごみが排水溝や取水口を塞いだなど、対策が後手後手に回った事を認めた。
 野党市議の調査によると、同市が使った自然災害対策費は、エドゥアルド・パエス市長時代の5億2920万レ/年を71%下回る1億5290万レ/年だったという。