マリリア=ジャパン・フェスタに6万5千人=バンド・デモニオスが特別出演=市制施行90周年も祝し

当時の様子

当時の様子

 サンパウロ州屈指の日本祭り「第17回ジャパン・フェスタ」が今月4~7日にかけてマリリア市のマリリア日系文化体育協会(水野ケンイチ会長)で開催され、約6万5千人が来場した。開会式が行われた4日には市制施行90周年を迎え、著名な音楽グループ「デモニオス・デ・ガロア」が特別出演し、祭典に花を添えた。また、昨年末に姉妹都市協定を締結した大阪府泉佐野市から音楽バンドが参加する等、日伯の友好関係の強さを印象づける内容となった。

 4日間にわたり開催された同祭では、華道家元ラテンアメリカ橘支部の第36回生花展覧会、ミス日系コンテストの地区予選が行われ、雨天にも関らず約6万5千人が来場した。
 また、泉佐野市から音楽バンドが初参加。元JICAシニアボランティアの與浦幸二氏が橋渡役となって同市から野球道具一式を寄贈したのを契機に交流が始まり、昨年末に姉妹都市協定に調印。今年2月には、KIX泉州国際マラソンに選手が招聘されるなど、活発な交流が続いている。
 開会式で挨拶した水野会長は「移民111周年、市制施行90周年、ニッケイクラブ創立89周年の節目に際し、経済、農業分野で我々の国家建設に貢献し、珈琲農園で苦渋を舐めた初期移民を想起しなければならない」と話し、同祭が始まった経緯を振返った。
 17年前に市内コレジオで始まった同祭は年々拡大し、今や州公式の観光・文化イベントに。「最大の目的は日本文化を保存、普及させるとともに、様々な文化間での融和を図り、諸国民の統合を促進させることだ」と思いを語った。昨年7月22日の眞子内親王殿下の同市ご訪問を振返り、「我が市のみならず、全伯の日系子弟にとって歴史的な日」と話した。
 ジョルナル・ニッパク紙の取材に対して、水野会長は「この祭は、皆の功績の賜物。連邦政府、サンパウロ州、マリリア市、そして様々な団体のお陰であり、なにより最大の資産は700人のボランティアだ」と称えた。
 同祭では、入場料を徴収せずに保存食のみを受付ている。祭典運営の秘訣については、「社会を支え、祭典に諸団体が参加する機会を与えることで経費を賄うことができる。また、彼らにとっては事業を紹介するとともに、運営を維持する資金を稼ぐことにも繋がる」と話した。
 また、笹崎レオナルド祭典委員長は「この祭りは、3人の若者の夢から始まった。週末に友人ら皆が集まり、日本食を楽しもうと遊び半分だったが、それが現実化した。初めは小規模だったが、社会、協賛企業、行政当局のお陰で、大きく成長した」と回顧する。
 「その初心は今も変わっていない。だが常に改善すべきことがある。駐車場もその一例であり、他の文化が入れるように食広場も門戸を開けなくてはいけない」と話し、「ジャパンフェスタは、今や地平線を越え、日本からも違う目で見られている。我々は伝統的な日本文化を守り抜いてゆく」と自信を伺わせた。