文協選挙=石川会長誕生がほぼ確定=対抗シャッパの提出なし=全伯文協が協調する組織へ

シャッパを提出する石川会長候補

シャッパを提出する石川会長候補

 役員改選を控えるブラジル日本文化福祉協会(呉屋春美会長)が11日午後6時、役員改選のシャッパ提出を締め切った。対抗シャッパの提出はなく、サンタクルス病院理事長の石川レナト氏(二世)を会長とした単独シャッパとなり、就任がほぼ確定となった。

 石川会長候補と頃末アンドレ評議員会長候補は10日正午に文協事務局を訪れ、体制派シャッパ「協調と進歩」を提出した。
第一副会長には、兼ねてから公言していた現評議員会長の山下譲二氏(二世)の名が明記されている。第三には、現第六副会長の若手の秀島マルセロ氏(三世)が三つ繰り上がり昇格。第四には、評議員第二副会長を務めていた桂川富夫氏が入った。
第六副会長には、今回初めて理事会に入る奥原ジョージ氏(二世)を抜擢。同氏は元ブラジル・ダノネの社長で、ジャーナリストの奥原マリオ純さんの従兄弟だ。
 これまで第一副会長だった松尾治氏(一世)は、評議員会の第一副会長として活躍する。専任理事は、現第一常任理事の水本セルソ氏(二世)が務め、花城アナクレット氏の名前はなかった。その他に大きな変化はなく、ほぼ現状維持となっている。
 石川氏は、会長に立候補した理由として「文協は日系社会を代表する団体。そこで日系社会の役に立ちたい」と語る。全伯の文協に声をかけ「協力し合い日系社会を良くする」と意気込む。
また、会長となった際は「若手を積極的に取り込んでいきたい」と意欲的だ。
 文協事務局が受理したシャッパは、16日に選挙管理員会で承認の可否が問われる。その後、今月27日の評議員会において信任投票が行なわれ、正式に新役員が発足する。シャッパ「協調と進歩」は以下のとおり(敬称略)。
◎理事会【会長】石川レナト【副会長】山下譲二(第一)、西尾ロベルト(第二)、秀島マルセロ(第三)、桂川富夫(第四)、林まどか(第五)、奥原ジョージ(第六)、福原カルロス(第七)【専任理事】水本セルソ【会計専任理事】国井ジェルソン
◎評議員会【会長】頃末アンドレ【副会長】松尾治(第一)、上辻照子(第二)、野村昌治(第三)【幹事】エリソン・トンプソン・デ・リマ(第一)、楠本瑠美(第二)、宮崎マウリシオ(第三)
◎監査役会【正監査】高橋博、山田タカオ、小笠原ロナルド【補充監査】藤本徹也、佐藤直、清水リジア

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 今回の文協選挙で、石川氏の提出したシャッパはほぼ現体制を維持。その中で唯一奥原ジョージ氏だけが見慣れない名前だった。文協の中島エドアルド事務局長によれば、奥原氏は現在60代。第三副会長に昇格した秀島マルセロ氏に呼ばれ、ここ2年間文協で活躍しているのだとか。仏系乳製品メーカーのブラジル・ダノネ社と米系健康食品メーカーのエルバライフ・ブラジル社の元社長を務め、特にブラジル・ダノネ社の事業拡大に尽力した。石川氏と同様、民間企業経営者としての経験による手腕に期待したいところ!?