リオデジャネイロ市ムゼマ区=家屋倒壊事故犠牲者18人に=他にも2体発見も回収はまだ

16日に事情聴取を受けたムゼマ地区住民協会のシウヴァ会長(Fernando Frazão/Agência Brasil)

16日に事情聴取を受けたムゼマ地区住民協会のシウヴァ会長(Fernando Frazão/Agência Brasil)

 【既報関連】リオ市西部のムゼマ地区で12日に起きたアパート2棟の倒壊事故の犠牲が、17日午後2時現在で18人となった。
 消防が回収した遺体は16日未明1体、同日朝4体、17日2体で、12日以降の犠牲者は計18人となった。17日午後2時の時点では、未回収の遺体が2体ある事も報告されており、実質的な犠牲者は20人だ。
 16日朝回収された遺体の一つは妊婦で、17日に回収された遺体は、男女各1人ずつだった。
 市警は16日、同地区住民協会のマルセロ・ディニス・ダ・シウヴァ会長を呼び、事情聴取を行った。事情聴取は15日の予定だったが、当日はシウヴァ氏の所在がつかめず、16日に延期された。同氏の弁護士は医師の診断書を持参し、15日は不在だった理由を説明した。
 事情聴取は16日昼過ぎに始まり、午後6時前に終わった。シウヴァ氏は事情聴取後も、「話せる事は全て話した。出来る限り手伝う。俺自身、強烈なショックを受けている」とだけ語り、弁護士の車に乗り込んだ。
 市警のアドリアナ・ベレン警部は、住民協会がムゼマ地区に林立する不法建築家屋の売買で果たしている役割や、同地区同様、犯罪者の民兵組織(ミリシア)が支配している地域での住民協会の役割などについて情報を得たいと望んでいる。
 市警は、住民協会が不法建築の家屋の売買に携わっている理由や、林立するアパート群の建築責任者は誰なのかも知りたがっている。市役所によると、同地区のアパート群は皆、不法建築だ。
 市警は1月に同地区で行ったオペレーションにより、ムゼマ地区を支配しているミリシアが、不法建築家屋の売買に住民協会を利用している事を突き止めていた。
 シウヴァ氏の事情聴取は、バラ・ダ・チジュッカ区の市警第16署の担当だ。同署はミリシアの活動に関する捜査などを専門とする犯罪行動抑圧署と共同で特捜班を設置し、ムゼマ地区や隣接するリオ・ダス・ペドラス市で横行している不法建築とミリシアの関係なども捜査している。
 第16署では既に、チジュキーニャやシッチオ・ド・パイ・ド・ジョアン、イタニャンガー、ヴィラ・ダ・パス、レカント・ダ・ムゼマの5地区の住民協会会長からの事情聴取を行った。
 市役所は、12日に倒壊したアパートはミリシアが建設したものとしているが、ムゼマ地区のミリシアの首領は、年頭に市警が敢行したオス・イントカーヴェイス作戦で逮捕された軍警のロナウド・アウヴェス・ペレイラ容疑者だ。
 同地区のミリシアは、不法建築の不動産の売買や、電気、ガス、ケーブルテレビといったサービスの不法販売、法外な料金徴収などの他、殺人を請け負っていた容疑もかけられている。ペレイラ容疑者は、昨年3月に起きた、市議のマリエレ・フランコ氏とその運転手殺害事件にも関与した疑いがもたれている。(16、17日付G1サイト、16日付アジェンシア・ブラジルより)