《ブラジル》地裁の差別的判決、「ゲイ治療許可」を、最高裁が覆す=「同性愛は、病気でも治療の対象でもない」とし

 24日、最高裁のカルメン・ルシア判事が、連邦直轄区地裁の出した、同性愛者を異性愛者に矯正するよう治療する「クラ・ゲイ(ゲイ治療の意)」の診療許可を覆した。25日付現地紙が報じている。
 カルメン判事の判断は、連邦精神医学審議会の訴えに応えたものだ。
 連邦直轄区地裁のヴァウデマール・クラウジオ・デ・カルヴァーリョ判事は2017年9月、同性愛者に対する「診療と治療を認めないのは、それを求める人と医師の権利を踏みにじり、この問題に関する学術的な討論を妨げるものだ」とし、異性愛者になることを「治療」として求める原告と精神科医に治療行為を認めた。
 「同性愛は病気ではないし、罪でもない」ことは世界保健機構が1990年に明言しており、連邦精神医学審議会も1999年に、同性愛者に対する「治療」と称した行為を禁止していた。
 カルメン判事は「治療として認められれば、ブラジルにおける同性愛者の問題が後退する可能性がある」とする訴えを受け入れ、診療や治療の許可を差し止めた。同判事は判決の中で、「最高裁が決定すべき判断を連邦地裁が行った」との連邦精神医学審議会の主張も認めた。