《ブラジル》国道警備集中取締り作戦実行=1カ月半で2900人超逮捕=大麻18トンにコカイン2トンを押収

連邦道路警察のアドリアーノ・フルタード氏(José Cruz/Agência Brasil)

連邦道路警察のアドリアーノ・フルタード氏(José Cruz/Agência Brasil)

 3月14日にブラジル連邦道路警察(PRF)が国道を使った密輸などの犯罪行為の集中取締り作戦を発動させてから、1カ月半あまりが経過した。
 PRFが2日に発表した中間報告によると、これまでに66万6千台の車両が検査され、2924人が逮捕されたことが明らかになった。
 この作戦には、ブラジル国内全26州と連邦直轄区で、500人の捜査員が動員された。
 報告書によると、火器や銃弾の他、大麻18トン、コカイン2トン、密輸タバコ1070万箱が押収された。また、この作戦では611台の盗難車が国内各地での検問で摘発され、持ち主に返却された。
 「同作戦の目的は、州の境を越えて暗躍する犯罪組織に対抗し、かつ、道路交通の安全性を高めること。個別のオペレーションは諜報機関の助力を得て計画、実行された」と、連邦道路警察幹部のアドリアーノ・フルタード氏は語っている。
 同作戦は今年一杯までを期限としているが、結果次第では期間延長の可能性も残されている。
 セルジオ・モロ法務大臣は中間報告の場に立ち会い、治安維持活動は、諜報機関とよく連動して作戦を練り、行うことが重要だと強調した。
 フルタード氏はさらに、「国道を使った犯罪を地図に落とし込んでわかったのは、国境を挟んで、または国境を越えて起きる犯罪は、必ずしも国境地点で解決しなくてはならないということではないという事実だ。国境地点でシャットアウトすることにこだわりすぎると、ブラジル中西部は国境が広すぎて効率性を欠く。国境で食い止めることにこだわりすぎず、ブラジルの国道網を使って行われる犯罪を、効率よく潰していくことが大切だ」とした。
 同氏は、国境をまたいだ犯罪は、ボリビア、パラグアイと広く接するブラジル中西部のマット・グロッソ・ド・スル州を最も強くマークする必要性を感じているとも明かした。(2日付アジェンシア・ブラジルより)