将棋=高嶋さんが王将戦を連覇=『どうぶつしょうぎ』人気=8月大会に青野九段が参加
ブラジル将棋連盟(吉田国夫会長)主催の「第47回ブラジル王将戦大会」が18日、サンパウロ市のブラジル日本文化福祉協会ビルで開催された。子ども63人、大人25人が参加し、高嶋ロベルト(65、二世)さんが優勝。同大会連覇を果たした。8月24、25日に行われる第72回全伯名人戦大会に青野照市九段、小針俊朗日本将棋連盟東京都支部連合会長が来伯参加することも発表された。
高嶋さんが将棋を覚えたのは、デカセギとして群馬県伊勢崎市にいた頃、市の文化教室に参加したことがきっかけ。日本語は会話が出来るのみで、定跡書を読んでの勉強は出来ず、ひたすら実戦を重ねて棋力を向上させた。現在はパラー州ベレン市に住み、胡椒やカカオの買い付けを本業としている。
昨年の全伯名人戦大会でも優勝しており、今大会の連覇で二冠達成となった。高嶋さんは大会後「優勝できて嬉しい。将棋も商売も劣勢な時に自棄にならないことが大事」と感想を語った。
子供大会参加者の多くは、鎌田ジュリアナさんのチェス教室に通う子どもたち。鎌田さんの教室では、チェスを学ぶと同時に「どうぶつしょうぎ」も教わる。
「どうぶつしょうぎ」は、3×4の小さな盤面で遊ぶ日本発の児童向け将棋。基本的なルールは将棋と一緒だが、「王将」が「ライオン」に、「歩兵」が「ひよこ」のイラストで描かれるなど、漢字のわからない子供でも楽しむことが出来る工夫がされている。
鎌田さんによれば、「どうぶつしょうぎ」を教えるチェス教室も増えており、8月の大会では他の教室の生徒にも参加を呼びかけ、総参加者200人を超す大会の準備を進めているという。
8月の全伯名人戦に来伯する青野照市九段(66、静岡)は、革新的な戦法や定跡を発明した人物に贈られる升田幸三賞を2度受賞。日本将棋連盟の理事を07年から10年務め、現在も現役の棋士として活躍を続けている人物。
将棋文化の海外普及にも熱心で、日本のNPO法人『世界に将棋を広める会』の理事も務める。同じく同会理事の山田彰駐ブラジル全権特命大使の勧めで来伯を決めた。「在伯愛棋家の皆さんとお会いできることを楽しみにしております」と話している。
各部門優勝者は次の通り。▼子供どうぶつしょうぎの部【8歳以下男子】アルベルト・ケンジ・アビ【同女子】イザベラ・ミヤ・カンポス【10歳以下男子】ダイラ・オモリ【同女子】ハファエラ・タッシ▼子供本将棋の部【10歳以下】河原暉笑【12歳以下】ブレノ・ビッター【13歳以上】チアゴ・G【同女子】フラビア・アユミ▼大人【初・二段戦】山本芳彦【三段戦】小嶋浩【四段戦】柴田真【王将戦】高嶋ロベルト(敬称略)。