《ブラジル・ミナス州》鉱山の北側斜面一部崩落=1・5キロ離れたダムは影響なし

 【既報関連】鉱山会社Valeはミナス州バロン・デ・コカイス市のゴンゴ・ソコ鉱山の北側斜面の一部が、5月31日未明に崩れたと発表した。同日付現地サイトが報じている。
 同鉱山から1・5キロの距離には鉱滓ダム、スル・スペリオルがあり、斜面の崩壊がダムの安全性を脅かす可能性が指摘されていたが、州防災局は、5月31日未明の崩壊がスル・スペリオルの構造に損傷を与えた兆候はないとしている。
 州防災局のマルコス・ペレイラ少佐は、「北斜面の底の部分のごく一部がすべり落ちただけで、構造に大きな変化を引き起こさず、警報サイレンを作動させる必要さえない。『現場周辺の安全性を危険にさらすものではない』というのが妥当な判断」と語った。
 Valeは声明の中で、「今朝崩れ落ちた斜面の土砂は採掘口の底に沈んだ」と発表した。同社はまた、斜面の崩壊は段階的で、一度に大部分が崩れ、近くに大きな衝撃や振動を引き起こす可能性は少ないとした。
 また、スル・スペリオルダムに関しても、「鉱山と、そこから1・5キロ離れたスル・スペリオルダムは、レーダーを使ってミリ単位のずれを検出できる自動観測システムと無人機を併用し、24時間体制で監視している。ダムは3月22日以来、危険度3と測定され、危険区域の住民は既に避難している」とし、地元当局とバロン・デ・コカイスの住民たちに、常に最新の情報を届けていることも明らかにした。
 ミナス州検察局は5月16日の時点で、「5月25日までに斜面が崩れる可能性がある」と指摘。同州の環境・持続可能な開発局は、鉱滓がドセ川に流れる危険性も指摘していた。