《サンパウロ州》恋人たちの日のツアーバス襲った悲劇=横転事故で10人が死亡

事故の様子を伝えるブラジルのニュースサイト(10日付けR7より)

事故の様子を伝えるブラジルのニュースサイト(10日付けR7より)

 サンパウロ州内陸部で9日夜、ツアーバスの横転事故が発生し、乗用車5台とバイク1台に激突。合わせて、10人の死者と51人の負傷者が出た。
 死者の内訳は、女性5人、男性3人、子供2人で、事故現場は、サンパウロ州の冬の観光地カンポス・ド・ジョルダンから伸びる幹線道路(州道23号線)の、ピンダモニャンガーバ市付近だった。
 事故の原因は調査中だが、生き延びたバスの乗客の1人は、「バスは制御を失っていたようだ」と語っている。
 ブラジルでは6月12日が恋人たちの日で、サンパウロ州南部海岸の人たちを募ったツアーは、恋人たちの日直前の週末をカンポス・ド・ジョルダンで楽しむというもので、バスは帰りの路についたところだった。
 また、死者10人の内、最初に遺族によって身元が確認されたのは、ツアー客のヤーコ・マンジェさん(25)だ。死者の大半はツアー客だったが、バスの運転手と、横転したバスに激突された車に乗っていた33歳の男性と4歳の娘も、死亡した。
 地元消防は9日の午後9時半ごろ、通報を受けて出動した。現場は州道からサントアントニオ・ピニャール市方面に抜ける道につながる立体交差点を抜けてすぐのトンネル付近だった。
 目撃証言によると、制御を失い、ブレーキもきいていなかったと思われるバスは、横転し、5台の車と1台のバイクに追突した。
 道路は事故直後から通行止めになり、10日の午前6時ごろに通行解除となった。
 30人以上の乗客を乗せて事故を起こしたバスの所有会社は、サンパウロ州沿岸部、プライヤ・グランデ市のブラジル・サンターナ(BS)社だ。同社は事故を悼み、犠牲者の遺族への援助を表明する声明を出した。
 プライヤ・グランデ市当局は、BS社は正規の許可を受けているとし、また、BS社も、事故を起こした車両の検査は最近行われていたとしている。(10日付G1サイトより)