【日本移民の日2019】「日本人移住の日」を祝して=駐ブラジル日本国特命全権大使 山田 彰

山田大使

山田大使

 「日本人移住の日」を迎えるにあたり、全ブラジルの日本人移住者・日系人の皆様に心よりお祝いを申し上げます。
 私は、駐ブラジル大使として着任以来2年近くになりますが、これまで努めてブラジル各地の日系社会を訪問し、様々な行事に参加してきました。
 各地を訪問するたびに、私は、日本人移住者・日系人の皆様が忍耐・努力を重ねてブラジル社会において強い信頼を勝ち得てきたという『先人たちの努力』と、日本の文化や伝統を日系社会において受け継ぐとともにブラジル社会に広く普及しているという『今日の人々の努力』を感じる次第です。
 今日、ブラジルで日本及び日本人に対して強い信頼感、好感が見られることは、移住者、日系人の長年の尽力、活躍なしには考えられません。こうした日本への信頼が、今日の極めて良好な日伯関係の基盤になっています。
 今後、特に日系人の若い世代の皆さんが、日系社会においてもさらに活躍するとともに、ブラジル社会に対し現代の新たな日本の魅力、情報を発信するなどして、日本とブラジルの架け橋となることを期待しています。
 日本大使館、各地の総領事館は、日本とブラジルの日系社会の連携、協力の強化のため、一層の努力をしていく所存です。
 さて、昨2018年は、ブラジル日本人移住110周年を迎え、3月に皇太子殿下が世界水フォーラム御出席のためブラジリアを訪問され、ブラジル各地の日系社会の代表者の方々とお会いになりました。
 7月には、眞子内親王殿下がブラジルを御訪問になり、5州、14都市を訪ね、記念式典や様々な行事に御出席になりました。この他にもブラジル全土で多くの記念行事が開催され、関係者の多大な尽力のおかげで、日系社会にとって記念になる良い110周年を祝うことができたと考えています。
 日本とブラジルは、伝統的友好協力関係を有し、基本的価値と原則を共有する重要なパートナーです。そして、今年1月に発足したボルソナーロ新政権の下、日本とブラジルの関係は一層の発展を見せようとしています。1月には安倍総理とボルソナーロ大統領がスイスのダボスで首脳会談を行いました。本年は、日本がG20議長国であり、6月末にはG20首脳会議出席のためボルソナーロ大統領の訪日が予定されているほか、G20の各種会議出席のため多くのブラジル閣僚・要人が訪日します。この機をとらえ、「戦略的グローバル・パートナーシップ」の下、幅広い分野での協力関係を一層発展・拡大すべく、積極的に取り組んで参ります。
 日本人移住者と日系人の皆様の益々の御健勝と御活躍をお祈り申し上げます。