コパ・アメリカ=見えた! 決勝T進出の夢=強豪ウルグアイと引き分け=集まれ! 24日応援会に

日本の得点に沸くサポーター

日本の得点に沸くサポーター

 ジャパン・ハウス(JH)はサッカー南米選手権(コパ・アメリカ)の日本対ウルグアイ戦のパブリックビューイング(試合生中継応援会)を20日、サンパウロ市の同館で開催した。在聖日本国総領事館の野口泰総領事もサムライブルーのユニホーム姿で応援に駆けつけ、約60人が接戦に終始沸き、息を呑んで試合に見入った。

 試合終了後、日系三世の婚約者とサムライブルーのユニホームで来ていた遠藤ケンジさん(三世)は、「日本代表は世界にも引けをとらない素晴らしい動きを見せた」と称賛。もし日伯両国による対戦となった際、どちらを応援するか聞くと「日本!」と力強く答えた。

応援に来た遠藤さん(右)と婚約者の曽根さん

応援に来た遠藤さん(右)と婚約者の曽根さん

 日本対ウルグアイ戦の試合中継の映像は、ポ語だったにもかかわらず、あえてアナウンサーは日本語の「シマウマ」を連呼していた。ポ語のゼブラ(シマウマ)は、予想外の活躍による「番狂わせ」を意味する。日本が強豪ウルグアイ相手に2度にわたってリードを奪うなど、互角以上の戦いを見せたことに敬意を込め、しかも日本語で「シマウマ」と表現した。
 会場に来ていた伊藤ファビオさん(三世)は開始前に「1―0で勝つ」と予想。注目は久保建英選手で、レアル・マドリードへの移籍の話題はブラジルにも知れ渡っているそう。開始前に野口総領事にも聞くと「勝つことだけを祈る」と話し、注目選手にはやはり久保選手を挙げた。
 ウルグアイはルイス・スアレス選手、エディンソン・カバーニ選手と主力選手が並んだが、日本がボール保持率で劣るものの、互角以上の粘りを見せた。
 前半25分に三好康児選手のシュートで先制。直後にペナルティーキックで同点に追いつかれるも、後半14分に再び三好選手の活躍でリード。後半21分に再び同点とされ、2―2の引き分けに終わるも下馬評を大きく覆す試合運びだった。
 JH会場では、応援歌が高歌放吟されることはなく、観客は静かに試合の行方を見守った。ただ三好選手の2ゴールの際は観客の大半が立ち上がり、歓喜に沸いた。また後半38分に久保選手が投入された時も拍手が起こった。
 24日(月)午後8時開始のグループステージ3戦目、エクアドル戦でもJHで同様に応援会を行う。他のグループの結果次第ではあるが、ここで勝てば、決勝トーナメント進出の可能性が一気に高まる。応援にも熱が入りそうだ。

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 ブラジルメディアでも久保選手の注目が高まっているが、ウルグアイ戦ではベンチスタートだった。試合中継の解説者は、最初から登場を期待していたらしく、途中「久保選手が動いたと思ったら便所へ行った」と残念そうにコメントし、JH会場で笑いが起こった。注目しているとはいえ、便所の報告を番組で発信されては、選手も落ち着かないのでは。
     ◎
 ウルグアイ戦を待たずに18日、日本サッカー協会国際委員の北山朝徳氏が肺がんのため、亜国ブエノスアイレスの病院で客死した。享年72。北山氏は長年日本と南米のサッカー界の橋渡し役として、日本のサポートや南米サッカー連盟との調整に尽力。ウルグアイ戦で日本代表は北山氏を偲び、黒の腕章を付けて試合に臨んだ。W杯優勝も経験する強豪ウルグアイとの健闘は良い弔いになったのでは。
     ◎
 JHのライブラリースペースでは現在、コパ・アメリカの日本代表参戦を記念して、日本代表の02年以降の歴代ユニホームを展示している。期間は7月7日まで。ブラジルで歴代のユニホームを間近に見られる貴重な機会。ぜひ行ってみては?JHの開館時間は火~土曜日は午前10時から午後8時まで、日曜日と祝日は午前10時から午後6時まで、月曜日は閉館日で、祝日でも閉館。