東西南北

 「ジ・インターセプト・ブラジル」によるモロ法相絡みの暴露報道以降、ルーラ元大統領を実刑判決に導いた裁判の見直し論が再燃している。それは最高裁でも同様で、同裁は24日に翌日行う予定の審理延期を決めたが、25日に同氏の弁護士が直訴したため、第2小法廷が、ルーラ氏に人身保護令を適用するか否かの審理を突然はじめた。この問題に関しては、ルーラ氏が実刑を受ける直前の審理でも接戦となっている。モロ氏に関する情報漏洩以降、ルーラ氏釈放を求める声が強まっているのは事実だが、反ルーラ派の敵対心も非常に強く、釈放となればかなりの混乱が巻き起こる危険性も。もう少し情勢を見てからでも遅くはないのでは。
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 現在のブラジルは国民の政治意識が二極化しているが、それは隣国アルゼンチンでも同様だ。同国の最近の大統領選世論調査では、国民の43%が現職のマウリシオ・マクリ氏を支持する一方、それをほんの少し上回る45%が、訴訟を受けている状況のクリスチーナ前大統領を副候補につけたアルベルト・フェルナンデス氏を支持している。こちらも、選挙が行われる10月までは何とも言えない状態。南米の政情不安は続きそうだ。
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 サッカーのコパ・アメリカは24日でグループリーグを終了。24日の対エクアドル戦で勝てば準々決勝でブラジルと対戦する可能性もあった日本は、1―1の引き分けで惜しくも脱落となった。ただ南米のレギュラー・チームに2引き分けは、若い日本代表には収穫のはず。セレソンの相手はパラグアイで、試合は27日に行われる。