《ブラジル》緊急着陸機から460万レ=前歴あるイタリア人操縦士

イタリア人操縦士告発の可能性を報じた2日付G1サイトの記事の一部(写真は押収された大量の札束)

 ブラジル中西部のマット・グロッソ州アウタ・フロレスタ市の空港で、6月30日に緊急着陸した小型機から460万レアル以上が入ったトランクが見つかり、操縦していたイタリア人が逮捕されたと同日ならびに7月1、2日付現地紙サイトが報じた。
 同州州都のクイアバ市から約800キロの町の農村地帯にある空港に緊急着陸したのは、2005年製造のセスナ機206Tで、フランシスコ・トゥリジアニと呼ばれる61歳のイタリア人が操縦していた。
 同機はサンパウロ州ソロカバ市から、パラー州イタイツーバ市に向かう途中で、ゴイアス州ジャタイー市で給油した際、機体に問題がある事に気づいた。だが、そのまま次の給油地のアウタ・フロレスタに向かい、緊急着陸となった。住民から「小型機が墜落した」との通報を受けた警察が現場に着いた時、操縦士はタクシーに乗り込もうとしていたという。
 警察が機内を捜査したところ、現金で計467万9750レアルが入ったトランク6個が発見され、操縦士は逮捕、機体も押収された。
 操縦士の弁護士によると、現金はソロカバ市の企業家でエアータクシーの所有者でもある人物から預かったもので、イタイツーバ市にある企業から金を購入する予定だったという。
 だが、操縦士がその供述の中で、大金の出所を証明出来なかったため、現金は同州の裁判所の口座に振り込まれた。
 警察によると、小型機の書類は正規のもので、操縦士に対する告発などもなかったため、操縦士は一旦、釈放されたが、資金洗浄と資産隠匿で告発される予定だという。
 他方、G1サイトによると、この操縦士はブラジルに約30年住んでおり、2009年に麻薬密売と銃の不法所持で有罪判決を受けていた。操縦士はこの判決を不服とし、上告したが、高等裁は上告を棄却している。
 検察庁によると、この操縦士は2002年10月28日にマット・グロッソ・ド・スル州カンポ・グランデ市で、運航計画も出さずに空港を使用。機体はその後放置され、機内から拳銃とコカインを使用した跡が見つかった。操縦士はこの事件の1カ月前に偽造文書も使っており、連邦裁判所は同機が麻薬密売に使われた可能性大と判断したという。