サンパウロ市で寒さ対策本格化=路上生活者への対応はいかに=南部では零下や霜も記録

サンパウロ市の路上生活者(Marcelo Camargo/Arquivo/Agência Brasil)

 6月5日以降、雨らしい雨を見ず、大気が乾燥していたサンパウロ市だが、寒波の到来で、4日未明から降雨を見、気温も下がった。4日の同市の気温は日中も15度程度で、夜は13度位まで下がる一方、湿度は55%を超える見込みだ。
 5日の最低気温は11度、最高気温も15度と予想されている。6日は冷え込みが厳しくなり、最低気温が6度位まで下がるものの、天気は回復する見込みだという。
 最低気温または体感気温が13度あるいはそれ以下になると動きが盛んになるのが、路上生活者を保護するための「低温オペレーション」だ。
 同オペレーションは5月22日から9月20日まで行われるが、5月22日から6月15日にかけては、延べ30万人が市内の収容施設を利用したという。夜間や未明に通報を受けて、路上生活者を収容施設に運んだりする緊急対応は、3831回行われたという。
 午前8時から夜10時までの間に、市の職員が路上生活者を見つけ、生活状況を問い合わせたりした件数は2万9791件(同じ人物に複数回対応した場合も含む)、職員が収容施設に案内した例は1万2874件だったという。
 社会福祉局のサービスは148種あり、路上生活者を一時的に収容する施設の1万8411人分を含む、各種施設の収容能力は2万2千人分だ。また、子供や青年向けのサービスは128種で、2335人分の施設が用意されている。低温オペレーションが始まってから新たに設けられた緊急対応用施設は、大人260人分、子供や青年20人分だという。
 寒波の影響は南部から中西部、北部にまで及んでいる。3日から雨などが報告されていた南部3州(リオ・グランデ・ド・スル、サンタカタリーナ、パラナ)では、4日も零下を記録したところが続出。サンタカラリーナ州ウルペマでは朝7時50分の時点でマイナス5度を記録した他、サンジョアキン、ウルビシ、ボン・ジャルジン・ダ・セーラでマイナス3度など、厳しい寒さだった事が報告されている。

霜を集めて作った人形(サンジョアキン、4日付G1サイトの記事の一部)

 南部では、5日から6日にかけても、最低気温が零下5度程度まで下がるところが出ると見られている。
 また、サンパウロ、ミナス・ジェライス、マット・グロッソ・ド・スルの3州でも、5日から週末にかけては最低気温が5度位を記録するところが出ると見られている。
 いずれの地域でも、風邪その他の気管支系疾患を避けるため、上着の着用(温度調整)や、水分を十分に取る、締め切った場所や人が大勢集まる場所を回避するといった注意が必要だ。病人や路上生活者、高齢者、子供などにはより一層の注意が呼びかけられている。(4日付アジェンシア・ブラジル、同G1サイトなどより)