《ブラジル》「地球は平らで、月面着陸は嘘」=反科学的信条を持つ人が一定数存在

基礎教育の不備が、反科学主義の芽になっている(参考画像・Arquivo/Ag. Brasil)

 ダッタフォーリャの調査によると、ブラジル国民の7%は「地球は平らだ」と信じていることが分かった。
 89%は「地球は丸い」と考え、残り4%は「分からない」だった。
 今回の調査は、今月始め(3、4日)に、国内103市に住む16歳以上のブラジル人、合わせて2086人を対象として行われた。
 「地球は平ら」と答えた人の割合は、60歳以上の人は11%、中卒以下の人は10%のように、高齢者や低所得者、低学歴者ほど高かった。
 米国ニューハンプシャー州にある、ダートマス大学宇宙物理学教授のマルセロ・グレイザー氏は、「この結果はブラジルの教育システムの失敗を示している。私が思うに、一部の『地球は平ら派』は、本気でそれを信じてなどいないのではないか。『世の中は全て科学に支配されている。高度な技術を持つ企業などに自分の人生は操られている。自分はその犠牲者』などと信じ込んだ人たちが、科学に支配されることへの“抵抗”の意味を込め、『地球は平ら』といった、誰が聞いてもおかしいと思うような主張をしているのだろう」と分析している。
 また、同じ世論調査では、「人類はもう月に行ったことがある」という説は真実か、嘘かという質問も行った。この項目では、26%が「それは嘘」と答えた。「真実だ」と答えたのは70%で、「分からない」が4%だった。
 この設問でも「1969年の人類月面着陸など嘘だ」と答えた人の割合は、若年層より高齢層、高学歴者より低学歴者、高所得者より、低所得者が高かった。特に、アポロ11号の月面到着が起きた1969年には既に生まれていた60歳以上の人は、嘘と答えた人の割合が36%と突出していた。(14、16日付フォーリャ紙より)