援協=カンポス桜まつり開催中=ブラジル人観光客でいっぱい

左が与儀会長、中央から中平マリコさん洲崎順副会長、与座さん

 日伯福祉援護協会(与儀昭雄会長)傘下の高齢者養護施設さくらホームは、さくらクラブと共催で「第51回桜まつり」を7月20日から、サンパウロ州カンポス・ド・ジョルダン市の同ホーム(Av. Tassaburo Yamaguchi, 2.180, Vila Albertina, Campos do Jordao)で毎週末開催中。27日に援協の送迎バスで取材に行った。
 援協本部前を朝6時半に出発し、10時に現地着。約600本の雪割り桜が約14ヘクタールの広大な敷地に植えられているが、まだ3~4分咲きだった。与儀会長は「来週、再来週ごろに満開になりそう。市の公式行事に入っている関係で、年初に開催日を決めねばならず、予想外に寒い日が多くてずれてしまった」と惜しんだ。
 一行が到着すると入口脇の舞台では、中平マリコさんのショーが始まっていた。ロシア、アラブ、リトアニア、和太鼓などのショーが続々と披露され、熱心に観客が見入っていた。良く見ると来場者の大半がブラジル人観光客だ。有名な「カンポス・ド・ジョルドン冬まつり」が28日まで開催中で、それを目当てにミナス、リオなどからも観光客が押し寄せ、このさくら祭りにも足を延ばしている。
 ミナス州都ベロオリゾンテからきた中年のブラジル人女性は「初めてカンポスにきた。さくら祭りは偶然にホテルで知った。ベロではこの種の日本的な施設は珍しく、イベントも少ない。とても興味深いわ」と園内を物珍しそうに散策していた。
 今年から「鎌倉の大仏」もお目見えした。昨年のアルジャー花祭りで展示されたものを、援協が安く譲ってもらって設置した。昨年来、園内には日本庭園風の小さな滝や鯉の泳ぐ池、橋が次々に造設され、まるで日本の古都を思わせる公園になりつつある。
 与儀会長は「カンポスはブラジルが誇る観光地。さくら祭りの時だけでなく、年間を通して入場収入が入る施設にしたい。だから日本を思わせるものを作り、ブラジル人観光客に家族や恋人と来てもらって、インスタグラムなどの写真を撮ってもらうことを狙っている」とのこと。

亀岡パウロさん

 サンパウロ市から来場した亀岡パウロさん(77、二世)に感想を聞くと、「ここの祭りは2回目。日本人には花見は欠かせない。この良さをブラジル人にも伝えたいから、カルモの桜祭りも手伝っている」と言う。
 2011年まで同ホーム長を務めた与座弘さんは、にぎわう会場を見ながら「祭りの間、一日当り2500人が入場するから4週末で2万人。今日も団体バスが8台来ている」と笑みを浮かべた。さらに「さくらホーム本体の施設見学もできるので、ぜひ施設も見てもらって、気に入ったら入所してほしい」と呼びかけた。
 さくら祭りは8月3~4日、10~11日も開催。援協本部から送迎バスが出ており、入場料込みで会員は90、非会員は95レアル。午前6時半にリベルダーデ区の援協本部(Rua Fagundes, 121)を出発し、午後3時半に会場を出る。なお予約が必要、先着順。問い合わせ、送迎バスの予約は援協会員課(電話=11・3274・6494/3274・6523)まで。

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 カンポスさくら祭り行きの送迎バスは、とても便利。午前10時に現地に到着するので、午前中だけカンポス・ド・ジョルドンのセントロを観光することも可能。その場合は、前もってバスの担当者に「カンポス市の入り口(ポルトン)で下してほしい」と伝え、自分でウーベルを呼んで、セントロ(プラッサ・カビバリ)まで行く。耳子は16レアルだった。ヨーロッパ風の街並みを見ながらあちこちブラブラ。再びウーベルを呼び、今度はさくらホームまで18レアル。カンポスはタクシーが少ないので要注意。昼からさくら祭りに行って桜を見ながら散策し、ゆっくり昼食をとって午後3時半に出発となる。