リオ市=路上生活者が死傷事件起こす=2人が死亡、負傷者も5人

 リオ市南部のラゴア区で28日、路上生活者が錯乱状態に陥り、停車中の車の運転手ら3人を刃物で刺すという事件が起きた。
 目撃証言によると、プラシド・コレア・デ・モウラ容疑者(44)は、事件当時、精神に異常をきたし、意味不明な言葉を叫んでいたという。
 防犯カメラの映像によると、同容疑者は車に近づくと、運転していたジョアン・フェリス・デ・カルヴァーリョ・ナポリ氏(35)に喧嘩を吹きかけ、彼を刺した後、ナポリ氏を助けようとして車を降りた恋人のカロリーネ・モウチーニョ氏にも切りつけた。
 それを見たナポリ氏はモウチーニョ氏を助けようとして車を降りたが、容疑者ともみ合い、腹部を刺された。ナポリ氏は走って逃げようとしたが、路上に倒れた。
 モウチーニョ氏は反対方向に逃げ、助けを求めた。モウチーニョ氏らからの通報を受け、警察や消防も駆けつけたが、ナポリ氏は助からなかった。また、モウチーニョ氏は手と腹を刺され、病院に運ばれた。
 モウラ容疑者は駆けつけた警官との交渉には応じず、ナポリ氏を助けようとしていた消防士や通行人らの群れに突進。彼の接近を阻もうとした体育教師のマルセロ・エンリケ・コレア・レイス氏(39)は容疑者に刺されて即死した。
 警官は当初、テーザー銃で同容疑者の動きを止めようとしたが、レイス氏を襲った容疑者が警官達にも襲いかかろうとしたため、同容疑者の足を狙って実弾を発射。両足を撃たれて動きが止まった容疑者は、その後に逮捕された。
 容疑者は頭部にもかすり傷を負ったが、命には別状はない。救助に駆けつけた消防士1人も足に被弾した他、消防士1人と軍警1人が銃弾の破片で負傷した。消防士1人と軍警は軽傷で済んだ。
(29日付G1サイトなどより)