サッカー=ロジェリオ・セニがクルゼイロの監督に=急転直下で名門指揮の決まったかつての名キーパー

ロジェリオ・セニ(Rafael Ribeiro/CBF)

 現役時代、サンパウロFC一筋に、出場試合数、キーパーによる得点数など、数々の記録を作り上げてきたロジェリオ・セニ氏が、名門クルゼイロの監督に大抜擢された。しかも、同リーグの他チームの監督をつとめている状態での突然の抜擢だった。
 セニは昨季、全国選手権2部で、ブラジル・サッカーの中心からは離れた北東部はセアラー州のチーム、フォルタレーザを優勝させたことで、監督としての手腕が初めて評価された。この前年には初の監督を古巣サンパウロでつとめたが、屈辱の途中解任となっていた。
 フォルタレーザは11日の時点で、勝ち点14で15位。数字は決して良くないが、1部に上がったばかりのチームをなんとか2部降格圏内(17位以下)に落とさないよう、奮闘していた。
 クルゼイロへの監督の話は急転直下の出来事だった。それは、クルゼイロが7日に行われたブラジル杯の準決勝でインテルナシオナルに敗れたことで、前任のマノ・メネゼス氏解任が決定。セニへの監督オファーはその直後に行われた。
 クルゼイロは当初、国内の名将のひとり、ドリヴァル・ジュニオル氏にオファーをかけたが、それが叶わず、すぐに第2候補だったセニに切り替えたという。
 すると、セニはこのオファーを快諾。フォルタレーザ側も特に抵抗は示さず、10日夜にはセニのクルゼイロ監督就任が決定。わずか3日間の出来事だった。
 フォルタレーザ側は、「彼がわがチームに残してくれた功績はずっと残り続ける」と感謝の気持ちを込めて送り出すことを声明として発表した。
 ミナス・ジェライス州ベロ・オリゾンテを拠点とするクルゼイロは、過去に南米一が1回、全国選手権制覇が4回、ブラジル杯制覇は6回の国内屈指の名門だ。だが、現在は全国選手権で降格圏内の17位と、不振にあえいでいる。同チームはサンパウロ、サントス、フラメンゴと並ぶ「2部降格経験のない名門」でもあり、セニにかかるプレッシャーは決して小さくない。
 セニは11日にフォルタレーザ監督として指揮する最後の試合、アラゴアス州マセイオでの対CSA戦が終わり次第、クルゼイロに合流する。(11日付グルーボエスポルテより)