《ブラジル南部》州立学校襲撃事件が発生=教師が武器奪い、死者は出ず

 ブラジル南部リオ・グランデ・ド・スル州の州都ポルトアレグレ近郊のシャルケアーダ市の州立アシス・シャトーブリアン校に21日昼過ぎ、4年前まで同校に在籍していた17歳の少年(氏名非公表)が小型の斧を持って押し入り、生徒らを襲撃。生徒6人と教師1人の計7人が負傷した。21、22日付現地各紙・サイトが報じている。 
 教師がこの少年に立ち向かい、斧を取り上げたため、死者が出るという最悪の事態は避けられた。また、重傷者も出ていない。
 州立アシス・シャトーブリアン校は初等、中等教育課程(小中学校~高校)、専門課程を教える学校で、合計700人の生徒が通っている。
 犯人は2015年まで同校に通っていた元生徒だ。最近は妹の送り迎えで頻繁にこの学校に来ていた。日々の送り迎えの際、学校の様子や生徒、教師の動きなどを探っていたと思われる。
 また、今年3月にサンパウロ州スザノ市で起き、10人の死者が出た学校襲撃事件も細かく調べており、襲撃用のガソリンや(火炎瓶用の)ガラス瓶、ライター、ロープに斧を揃え、リュックサックに入れて現場に向かった。
 警察によると、犯人は学校に火をつけ、2015年より不仲だった男子生徒を殺し、自殺するつもりだったという。事態は計画通りに進まず、校内の一室で火炎瓶を投げた後、斧を手に生徒らを襲い始めたものの、教師のジュリアーノ・モントヴァーニ氏が斧を取り上げ、犯人を押し倒した。
 教師が負傷者を助けに走ったため、犯人は塀を越えて逃げ、別居中の父親の家に行って事件を起こしたことを告げた。父親は息子を警察に引き渡した。犯人は「学校では疎外感を感じていた」と供述しているという。