開発行為と森林火災が先住民保護区を破壊

マット・グロッソ州アレオンエス先住民保護区内で起きた森林火災の跡(Ibama/Divulgação)

 8月に入って急増中の法定アマゾンなどでの森林火災は、従来は伐採が禁じられていた所でも起きている▼一例はアマゾナス州南部のテニャリン族の部落だ。国立再生可能天然資源・環境院(Ibama)やシコ・メンデス研究所(ICMBio)と連絡を取り、保護区全域を監視していたのに、23日夜、部落は全焼。煙の向こうに火の手が残る光景を前に、酋長が「何をやったか見てみろ。何でこんな事を?」と問う姿は25日付ブラジル国内紙が報じた。28日にはマット・グロッソ州の森林火災最多地域にある先住民保護区にIbamaと連警が入り、森林伐採や火災防止作戦を始めた▼だが、ボウソナロ大統領は27日の法定アマゾン9州の知事との会合でも、環境保護区や先住民保護区の開発を擁護。先住民やアマゾンの保護は憲法で定められているのに、焼き出された先住民や延焼で被害を被った農業生産者への保障や支援という言葉は皆無だ。パラー州での監視活動では2千ヘクタールの森林伐採と焼畑を計画していた農場などが摘発されたが、環境保護区開発で生じる水源枯渇などの影響を政府が配慮している様子はない▼ボウソナロ大統領は、主要7カ国の首脳がアマゾンは国際資産と決め付け、森林火災対策費拠出を決めたと文句を言った。だが、州知事達からは大統領が火災犯扱いした非政府団体を擁護し、国際支援受け入れも要請する声が出た。現場の声を聞かずに諸国や環境団体を批判し、国際支援を拒否した責任や、各種保護区破壊の責任はいずれ、大統領本人がとる事になるだろう。先住民や農業生産者のためと言うが実は蹂躙する政策がアマゾンを修復不能な状態にする前に大統領が目覚めるか、別の考えを持つ政権誕生が先かが気になるところだ。(み)