サンパウロ州の麻疹の死者3人に=ペルナンブコでも7カ月男児死亡

麻疹を含む3種混合の予防接種(Divulgação CMS)

 【既報関連】サンパウロ州保健局が8月30日に、麻疹(はしか)による乳児2人の死亡を確認したと報告した。2日には、ペルナンブコ州保健局も乳児1人の死亡を確認している。
 8月30、31日付現地紙、サイトによると、サンパウロ州で死亡した乳児は、サンパウロ市在住の9カ月男児とオザスコ市在住の4カ月女児だ(女児は当初、バルエリで死亡と報じられたが、31日にオザスコで死亡と訂正された)。
 9カ月男児は、6カ月以上1歳未満の子供への予防接種の実施が決まる前の7月に罹患。7月16日に私立病院で診察を受けたが、その後に肺炎を起こし、8月6日に亡くなった。
 4カ月女児は、罹患前に肺炎を起こし、抗生物質を使っていたが、8月1日にバルエリ市の小児用救急外来で受診後、オザスコ市総合病院に移送され、そこで死亡した。
 これにより、サンパウロ州での麻疹による死者は、8月17日に亡くなったサンパウロ市在住の42歳の男性も含め、3人となった。
 保健省は8月に、全国での6カ月以上1歳未満の乳児への予防接種実施を決めたが、2日付アジェンシア・ブラジルなどによると、サンパウロ市では引き続き、保育園に出向いての予防接種実施を徹底する意向だ。2日の報道では、サンパウロ市での乳児への予防接種実施率は66・21%となっている。
 他方、サンパウロ州で行っていた15~29歳の青少年向け予防接種キャンペーンは8月31日で終了したが、サンパウロ市での実施率は42・5%に止まった。今後の青少年向け予防接種は、過去の接種回数で実施の有無や回数が決まる(0回なら2回、1回受けていれば1回、2回受けていれば不要)。
 一方、ペルナンブコ州での死者は、タクアリチンガ・ド・ノルテ市在住の7カ月の男児だ。同州では2日現在、真性患者13人、擬似症患者296人と報告されている。この男児は同州初の死者で、全国では4人目の死者となる。同州での患者は、6月末~7月はじめにバイア州に旅行し、サンパウロ州から来ていた患者と接触した人から広がったという。同州の患者はカルアル市3人、フレイ・ミゲリニョ市とサンタクルス・ド・カピバリベ市各1人、タクアリチンガ市5人の13人となっている。
 なお、リオ州ペトロポリスで8月30日に亡くなった32歳の女性も麻疹感染の疑いがあり、調査中と報じられている。