《サンパウロ》労組主催の求職フェア開催=徹夜で行列、六千人が訪れ

ムチロンに並ぶ人々(Fabio Rodrigues Pozzebom/Ag. Brasil)

 17日から20日まで、ブラジル一般者労組(UGT)主催の集団求職フェアがサンパウロ市中央部(セントロ)で行われている。面接整理券が配布された17日は、前日から徹夜で列に並んだ人も含め、アニャンガバウーのUGT本部前に長い列ができたと、18日付現地各紙が報じた。
 この求職フェアで出来た列の先頭の人は、16日午後から並んだ。出された応募は5726件で、平均給与は月額1500レアル(約40500円相当)だ。
 主な職種は、電話オペレーター、販売員、裁縫師、在庫管理、テレビや電気機器、配線の接続担当員などだ。
 高齢のため、夜を明かすことなく帰宅し、翌日同じ場所に並ぶことを許された男性や、並んだまま一夜を明かし、「最近は夜でも暖かいから平気」と語る人もいた。
 また、3月に行われた求職フェアーに挑戦して知り合いになった友人たちのペアや、20歳そこそこで、労働手帳に記録される人生初の正規雇用を得るべく、17日早朝から並ぶ若者もいた。
 整理券を受け取った応募者は、UGT本部内で履歴書のチェックを受けた後、募集をかけている企業や人数を記したリストを受け取り、各企業の人事担当者と面会。面接のアポイントを取り付けるという手順を踏んだ。
 UGT会長のリカルド・パター氏によると、UGTは通常業務の一部を停止し、Senacなどの職業訓練機関と共同でパソコンの基礎講座の受付も行った。同会長は「3月の求職フェアーでは、パソコンの基礎操作が出来なくて落とされた人も大勢いたから」と語る。
 17日はおよそ6千人がUGTを訪れ、4千枚の整理券が配布された。面接を受けたが採用されなかった人も、整理券を持っていれば、20日までならまたUGTに戻って次のチャンスを待つことも出来る。3月の求職フェアでは、これまでで最多の合計1万5千人が参加した。
 また、18日付地元紙は、別の用事で16日にセントロを訪れ、履歴書も持っていたために、居残ってフェアに参加。17日にスーパーの人事担当者と面接でき、採用も決まったジョゼ・ドミンゴスさんのような例も紹介した。