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アマゾン90周年記念式典3都市で=トメアスー、500人以上出席=州議会議長、舗装着工を宣言

乾杯の音頭を取った第1回目アマゾン移民の山田元さん

 「アマゾン日本人移住90周年式典」が13日にパラー州トメアスー、14日に同ベレン、15日にアマゾナス州マナウスで開催された。アマゾン移民初入植地であるパラー州トメアスー郡では13日午前、トメアスー文化農業振興協会会館で開催され、500人以上が出席した。山田彰駐ブラジル特命全権大使も参加し、茂木敏充外務大臣のメッセージを代読。式典では第1回アマゾン移民の山田元さん(92、広島県)などの3人の特別表彰、各分野の功労者の表彰、在外公館長表彰式なども行われ、多くの人が祝福を受けた。

 「90年間、良い事も悪い事も、紆余曲折ありましたけど…やっぱりここが故郷ですね、今は本当に幸せです」。唯一の第1回アマゾン移民、山田さんは、遠い記憶に思いを馳せながら噛みしめるように語った。
 式典会場には地元をはじめ、ベレン市などパラー州各地からも参加。サンパウロ市からは、県連ふるさと巡り一行約180人に加え、個人でお祝いに駆け付けた人もいた。
 午前10時からの記念式典には山田大使、ヘルデル・バルバーリョ州知事の代理として末永ウーゴ農務局長、浜田圭司ベレン領事事務所所長、トメアスー郡のアウレニス・コレア・リベイロ郡長、福岡県国際交流センターの福島明彦専務理事、汎アマゾニア日伯協会の生田勇治会長、西部アマゾン日伯協会の竹田満音(みつお)副会長、ブラジル日本文化福祉協会の石川レナト会長らが来賓として出席した。
 柴田一宇シルヴィオ祭典実行委員長はあいさつで、トメアスー入植からの歩みを紹介。アカラ野菜組合設立からピメンタ景気、病院建設、アグロフォレストリーの導入など、先人の並々ならぬ努力と発展の軌跡を語った。「トメアスーの日本人と子孫たちは、文化、健康、政治、防犯、農業などあらゆる文化に貢献してきた」と強調。
 最後に「アマゾン初の移住地トメアスーではマラリアなど数々の苦難と闘い、今日では強い日系社会を築いている。ここにいる山田元さんら全ての先人に感謝し、今後もトメアスー、州、さらにブラジルへの貢献を誓う」と力強く語った。
 来賓のダニエル・バルボーザ・サントスパラー州議会議長が「第二トメアスー移住地への道路舗装を着工する」と高らかに宣言すると、会場から拍手が沸き起こった。地元では開拓時から長年望まれていた一言だ。
 来賓の挨拶後は、第1回目移民の山田さん、前日に100歳を迎えた最高齢の川越忍さん、アマゾニア連邦農業大学(UFRA)元学長でトメアスーキャンパス設立を実現させた沼沢末男氏が特別表彰を受賞。さらに90歳以上の高齢者8人、各分野で活躍した功労者13人も表彰された。

式典の様子

 在外公館長表彰では、同地において農業の発展に貢献した坂口渡フランシスコさん、小長野道則さん、日本文化の普及や日系社会の地位向上に貢献した乙幡敬一アルベルトさんら3人が受賞。山田大使から賞状を授与された。
 さらに日系学校、トメアスー日本語学校では「アマゾン日本人移民90周年」をテーマとした作文コンクールを実施しており、式典では優勝者らが表彰された。
 式典後は、山田さんが乾杯の音頭を取り昼食会に。トメアスー文化農業振興協会の婦人部特製の食事に舌鼓を打ち、参加者らは交流を楽しんだ。式典後は、90周年記念事業である鳥居と太陽光発電パネルの落成式も行われた。


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 第1回アマゾン日本人移住者の山田元さんは、90年の人生を振り返り「自分たちは資金がなくてトメアスーを出られなかった。金がある人は『ここは人間の住む所じゃない』と皆南へ行った」と語る。第1回移民42家族中、トメアスーに残ったのは「4、5年経って2、3家族」という過酷な状況。「母は食べ物が合わなくて、みるみるうちに痩せてしまって…」と目を伏せた。文字通り「緑の地獄」だった時のことは、決して忘れられない心の傷。だが「今は子どもにご飯作ってもらって、寝ることもできて、幸せだよ」と最後は笑顔を見せていた。

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